【楽しさの小さな塊】ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)へ試乗 理想はMT
公開 : 2021.05.24 08:25
より楽しく魅力的なミニJCWならMT
今回は、パワーで劣るMTのクーパーSと乗り比べる機会があった。体感的には、MTのSの方が速いように感じられたことは確かだ。それ以外の部分では、JCWは楽しさの塊なだけに少しもったいない。
標準のサスペンション設定は、依然として超が付くほどアクティブ。一見滑らかに見える路面でも、ドライバーには振動が伝わってくる。
コンパクトなボディサイズに抑え込まれたボディロールと、やや感触は薄いものの、クイックなステアリングホイールが組み合わさり、ミニJCWは一層ダイレクト感が強い。
クーパーSより明確にコーナリング速度は高い。思い切って飛び込めば、ドライバーの背中のあたりを中心に鋭く旋回していく。
一方で、全体的に引き締められたシャシーのおかげで、荒れた路面での影響は受けやすい。コーナー入り口から頂点をかすめ、脱出するまでのラインを正確にたどるのは、簡単とはいえないだろう。
そのかわり、高められたパワーを活かしたアプローチは可能。多くのドライバーにとって、JCWの魅力に感じられる部分だとは思う。
リフレッシュされたミニJCW。楽しいことに変わりはないが、レスイズモアはやはり当てはまるようだ。多くのドライバーの場合、英国では5000ポンド(75万円)安いミニ・クーパー Sを選んでも、9割以上の楽しさを享受できるように思う。
一方でATではない、英国では1700ポンド(25万円)安いMTを選べば、より楽しく魅力的なミニJCWが手に入ることは間違いない。その点で、JCWにもレスイズモアが当てはまるようだ。
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW/英国仕様)のスペック
英国価格:2万8675ポンド(430万円)
全長:3821mm(標準ミニ)
全幅:1727mm(標準ミニ)
全高:1414mm(標準ミニ)
最高速度:246km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:14.5-15.2km/L
CO2排出量:150-157g/km
車両重量:1275kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:231ps
最大トルク:32.5kg-m
ギアボックス:8速オートマティック