【プラットフォームも一新】ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEVへ試乗 フェイスリフト

公開 : 2021.06.15 08:25

特長に欠けるハイブリッド・システム

サンタフェはエントリーグレードでは前輪駆動となるが、試乗車の場合は四輪駆動。前後のタイヤ間でトルクを50:50に分配して走行できる。

フェイスリフトに合わせて、スノー&マッドなどのテレイン・モードも新しくアップデートされている。ただしアプローチ・アングルやデパーチャー・アングルが深くはなく、オフロード性能を自慢するタイプではない。

ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)
ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)

ハイブリッドらしく、デフォルト状態でアクセルペダルを踏み込むと電気モーターのみで加速する。トルクが太く、レスポンスが良く扱いやすい。操作系の重み付けや反応も好感触。姿勢制御にも余裕を感じさせ、安心感を持って運転できる。

少し残念なのが、エンジンの洗練性が足りないところ。駆動用バッテリーが尽き静かなEVモードが終了すると、エンジンが目覚めて低回転域から小さくないノイズが響いてくる。

電気モーターからの交代は滑らかながら、強みにはなっていない。フィアット500に載っている、ツインエア・エンジンに似た印象を受けた。

システム総合での最高出力は230ps、最大トルクは35.6kg-mがうたわれるが、数字ほどの力強さも体感できない。同等に小排気量のターボディーゼルの方が、たくましさでは勝ると思う。

安定した高速巡航を叶えてくれ、マナーも悪くはない。しかし、特長といえる部分はないだろう。燃費も14.3km/L程度に留まっている。

魅力度を比べるとライバルに及ばず

フェイスリフトでサンタフェは最新のプラットフォームを獲得しているものの、乗り心地は平均点どまり。重い車重を隠せてはいないようだ。

不快なほどではないものの、アダプティブではないサスペンションは、特に低速域での落ち着きが足りていない。速度を高めても、明確に改善されるわけでもない。

ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)
ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)

広々とした実用的な車内と、大胆なスタイリング、全般的な実用性を兼ね備えた7シーターのSUVを探しているのなら、ヒュンダイ・サンタフェは充分候補に入ってくる。フェイスリフトを受け、従来より各部分で改善を受けている。

一方で燃費や動的な魅力度などを比べると、ハイブリッドのヒュンダイ・サンタフェはライバルに一歩及ばないことは確か。標準装備は充実しているが、価格価値でも強い訴求力は感じられにくいと思う。

ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)のスペック

価格:4万1935ポンド(629万円)
全長:4785mm
全幅:1900mm
全高:1685mm
最高速度:186km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:14.3km/L
CO2排出量:159g/km
車両重量:1842kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:230ps/5500rpm(システム総合)
最大トルク:35.6kg-m/1500-4500rpm(システム総合)
ギアボックス:6速オートマティック

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