【カギは航続距離より価格?】開発進む軽EV 「地方向き」といえるワケ
公開 : 2021.05.25 05:45 更新 : 2021.10.13 12:13
大都市よりも地方に向いている?
もともと軽自動車は地方での日常の移動の足として使用されることが多く、その使われた方はピュアEVになったとしても変わらないのではないかと筆者は推測する。
その際の走行距離は往復で多く見積もっても20-30kmほど。
たまに市町村を跨いだ移動をしたとしても100km未満の移動が中心となるだろう。
そうなると大容量の駆動用バッテリーは必要とされず、求められるのは買いやすい価格という点に絞られる。
一部報道では日産と三菱の軽EVは実質的な価格が200万円を切るといわれているが、ミニマルなバッテリーを搭載した廉価グレードの設定も期待したいところだ。
そして、地方で軽EVが向いていると考える最大の理由が、ガソリンスタンドの問題である。
すでに報道でご存知の方も多いかもしれないが、資源エネルギー庁によると 2019年度末の全国のガソリンスタンド(給油所)数は2万9637か所。ピークの1994年度末(6万421か所)から25年連続で減少、ほぼ半減した計算となっている。
とくに地方でのガソリンスタンドの廃業は深刻な問題となっており、クルマがあっても給油ができない、かなり離れたスタンドまで出向かなければならないというケースも増えているのだ。
しかし、自宅で充電することができるEVであれば、コンセントさえ繋いでおけば寝ている間に満充電になってくれる。
そもそも持ち家率も高いため、自宅に充電コンセントを設置するハードルも低いといえる。
そういった点を考えると、軽EVのターゲットユーザーは都市部に住む人ではなく、地方に住んでいる人といえるのではないだろうか。