【次期型もFR維持】BMW 2シリーズ M240i クーペ テスト車両へ試乗 発表は6月上旬予定
公開 : 2021.05.23 08:25
少しの運転でわかるエンジンやATの優秀さ
今回の試乗では、チャレンジングなドイツ郊外の道と、ガラガラのアウトバーンで完成前のM240i xドライブを味見させてもらった。正式な発表は、6月初めへと迫っている。ちなみに次期M2は、2023年の発売が予定されている。
2シリーズ・クーペの車内に乗り込むと、BMWらしい馴染み感のあるインテリアが迎えてくれる。ほとんどの部分が、厚い布で隠されていたけれど。
ダッシュボードやメーターパネル、中央に据えられるタッチモニターや周辺の操作系、内装トリムなど、主要部分のデザインは2シリーズのグランクーペと近似しているようだ。着座位置は低く、運転姿勢は丁度いい。
BMW製の6気筒エンジンは改良を受け、驚くような二面性が与えられている。パワーアップしていながら、滑らかで扱いやすいという特長は変わらない。軽快に吹け上がりつつ、最大トルクは50.6kg-mとたくましい。
ほかの4気筒エンジンを積んだライバルには届かないような、非常に幅の広い動的性能を獲得している。少し運転しただけで、素晴らしいエンジンだと気付くほど。
今回のプロトタイプに組まれていたトランスミッションは、先代のアップデート版となる8速AT。こちらもエンジンと同様に、ドライブモードに関係なく、驚くほど滑らかに素晴らしい変速を決めてくれる。
BMWはまだ最高速度などの数字は明らかにしていない。少なくとも0-100km/hまで4.5秒位で加速し、249km/hでリミッターが掛かることは充分予想できる。
ステアリングもサスペンションも明確に進化
新しい2シリーズ・クーペは、間違いなくドライバーへ喜びを与えてくれるだろう。現行のM2のような、研ぎ澄まされたエッジ感まではない。でも、それに匹敵するほど速い。
BMWが次期2シリーズ・クーペで特に注力した部分が、サスペンションまわり。ブレース類が追加され、新しい4シリーズ・クーペのものと似た構造を得ている。そのメリットとして、従来以上に楽しめる操縦性を得ていると感じた。
M240i xドライブのオンロードでの質感は、とてもバランスが高く魅力的。路面変化が大きい区間でも、見事な姿勢制御を叶えている。
Mスポーツ・サスペンションらしく、典型的な硬さはある。しかし、乗り心地を犠牲にしているほどではない。スポーティなドライブモードを選んでも、充分しなやかさは残されている。
M240iにはオプションで提供される、高性能なアダプティブダンパーの効果も大きいだろう。サスペンションまわりにはアルミニウムが多用され、細かな揺れも巧みに処理することには感心した。
さらに目に見えて進化したといえそうなのが、ステアリング。明確に精度が向上しており、ステアリングホイールの重さは、切り始めから一定度を高めている。ネガティブキャンバーが強められ、ターンインの積極性も身に着けている。
四輪駆動システムは、常にリアタイヤが主導となるように駆動力を分配。電子制御のデフも備える。グリップ力は高く、路面が濡れていてもコーナリングスピードは息を呑むほど高次元だ。