【2台目のEVにも採用】フォード 複数モデルにVW製プラットフォーム使用 「理にかなっている」
公開 : 2021.05.19 21:05 更新 : 2021.07.08 13:04
フォードはVWとの提携を活かし、MEBプラットフォームを使った複数の新型車の導入を示唆しています。
2台目のEVとして小型SUVを開発中
フォードは、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームをベースにした複数のEVを製造する可能性を示唆している。欧州部門のトップは、その際に「この技術におけるリーダーシップを誰にも譲らない」と述べた。
フォードとフォルクスワーゲン・グループは、広範な技術提携に合意しており、フォードはフォルクスワーゲン・グループ向けの商用車を開発するとともに、MEBプラットフォームの使用権を得ている。
同社は現在、MEBをベースにした最初のEVである小型SUVのテストを行っている。このEVは2023年に発売予定で、マスタング・マッハEの下に位置することになるが、同じプラットフォームを使用したモデルが少なくとももう1台、計画されていることがわかっている。
フィナンシャル・タイムズ紙の講演イベント「Future of the Car」で、MEBプラットフォームを使ったさらなるモデルの開発について質問された欧州フォードのスチュアート・ローリー社長は、次のように答えている。
「わたし達はそのことについて見解を持っており、フォルクスワーゲンとも複数の点で合意しています」
「わたし達の提携は、上限や定義があるわけではなく、両社にとって意味のある相互利益のために協力する機会を探しています」
「(将来の計画について)見解を持っており、それは共有していませんが、商用車やMEBプラットフォーム、その他の分野で多くの機会があるかもしれません」
独自のプラットフォームの継続使用
独自開発のEVアーキテクチャーではなく、フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを中小型車用に使用することは、フォードにとってリスクがあるのではないかという質問に対して、ローリーは次のように答えている。
「フォードでは、マスタング・マッハEや新型F-150ライトニングのように、独自のグローバルEVプラットフォームを持っていますし、今後も使用していくつもりです。この技術におけるリーダーシップを誰かに譲ることはありません」
「欧州の中型車セグメントは非常に重要であり、フォルクスワーゲンはフォードよりも規模が大きいので、(MEBを採用するのは)理にかなっています」
「フォードにとって、欧州の商用車は不可欠であり、フォルクスワーゲンとの間で新しい1トン級のバン(次世代トランジットとトランスポーター)とピックアップ(レンジャーとアマロック)の契約を結んでおり、わたし達が市場をリードしていきます」
「この道を進むために必要な資本は膨大であり、この業界で提携を検討しているのは当社だけではありません。わたし達は両社とも、このことをはっきりと認識していますが、今のところ、このプラットフォームにはとても満足しています」
「規模のある会社があれば、それを利用するのは理にかなったことです。しかし、はっきりさせておきたいのは、フォードは独自のグローバルEVプラットフォームを持っていて、今後も活用していく中で、その一部を欧州でも導入するだろうということです」