【第1弾は「NX」か】2021年レクサス初PHEV発売/2022年BEV量産決定 どんなモデルに?
公開 : 2021.05.20 05:45 更新 : 2021.07.27 14:50
「e-アクスル」=「DIRECT4」といえるワケ
こうしたメディアイベントをレクサスが開催するのは「1989年が生まれてから初めて」(レクサスインターナショナル幹部)ということだった。
量産に向けて開発途上にある最新技術について、試乗したり機器を触れたりと、かなり踏み込んだ形で公開したのだ。その一部は公開不可情報とされ、記事化が可能は2件のみだった。
1つが、セダンのESベースの実験車両に搭載されたe-アクスルだ。FF車の四輪駆動としては、トヨタはE-Four(電気式四輪駆動方式)があるが、e-アクスルではモーター出力を95.2-136psに高めた四輪駆動車だ。
ワインディング路をハイペースで走行させたが、e-アクスルのON/OFFでその効きの凄さを実感した。
その際、レクサス開発者は「2020年代前半に量産化予定」と話していることから、e-アクスルがDIRECT4である可能性は極めて高い。
RAV4 PHVのリアモーターの出力は54.4psであり、新型NXはその2倍以上の高出力型モーターが搭載されるのではないだろうか。
また、少し気になるのはESだ。
e-アクスルのベース車であったことから、これがビックマイナーチェンジしたESにも搭載され、さらにESも今後、PHEV化されることも十分に考えられる。
いずれにしても、レクサスがいう「レクサスの電動車ならではの新しい価値やドライバイング体験」が実現されることになる。
bZシリーズとは別のEVになる?
もう1台、筆者が2019年10月に東富士研究所のワインディング路をハイベースで走行させたのが、レクサス初のEV「UX 300e」だ。2020年に中国で先行導入され、その後に日本にも発売された。
その際、開発担当者との意見交換の中で、「UX 300e」は「あくまでもUXを活用したEVで、レクサスとしてこの先のEVはEV C.A.スプリット社(で培った知見)の案件となる」という見解を示した。
EV C.A.スプリットはトヨタ、マツダ、デンソーなどの開発者が将来のEV開発に向けた量産研究をおこなうための期間限定で運用された企業だった。
そこでの知見はトヨタのEVプラットフォーム「e-TNGA」となり、2021年4月の上海モーターショーで公開されたスバルと協業する「bZ4X」として結実した。
その際、「2025年までにbZシリーズ7車種を含むEV 15車種をグローバルで導入」と発表した。
となれば、レクサスが2022年に量産するという新型EVは、トヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」の兄弟車になるのか、それともこれらとは別枠なのか?
いずれにしても、PHEVと同様に、レクサスらしいドライビング体験が楽しめる、攻める姿勢のEVになることは間違いなさそうだ。
レクサスのものづくり体制、「オール・ウエイズ・オン」は本格的な電動化シフトを踏まえて着実に実行されている。