【速く走るほど良くなる】ポルシェ・ボクスター/ボクスターS(987型) 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.06.03 08:25 更新 : 2021.07.12 18:45
最後のオーナーになりたいと思える
オーナーになってからの安心としても、リセールバリューとしても、正規ディーラーや専門ショップでの整備履歴を持つクルマを選びたい。定期点検の間隔は、2年毎か3万2000km毎だった。
発売当初から、ボクスターSにマストで付けたいオプションだったのが、ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント。19インチホイールの硬い乗り心地を、少し穏やかにしてくれる。
特別な987型となるのは、ボクスターS デザイン・エディション2。後期型の出る直前、2008年にリリースされている。軽量化され325psが与えられたボクスター・スパイダー3.4も、2010年に発売された。
987型のボクスターは、比較的流通量が多い。複数オーナーでも、大切にされてきたボクスターを選びたい。きっと最後のオーナーになりたいと思えるはずだ。
オーナーの意見を聞いてみる
コリン・パターソン
「2006年式ボクスターの、6番目のオーナーです。2.7Lエンジンで、3年前に購入しました。それまではアウディTTロードスターに乗っていましたが、ボクスターの良さは軽く凌駕しますね」
「走行距離は21万7200km。それでも、全体のカッシリ感は変わりません。燃費は8.9km/Lくらい。英国の場合、年間の税金は8万40000円です」
「メンテナンスは2年毎に、地元のポルシェの専門ガレージにお願いしています。費用がリーズナブルなんです」
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
シリンダー内の摩耗は珍しいものの、ダイレクト・インジェクション前の3.4Lエンジンでは、念のため確認した方が良いだろう。エンジンオイルの消費が早い場合や、マフラーがオイルで湿っているなら、その徴候。
回転数が乱れる場合、マスエアフロー・センサーが原因かもしれない。初期型の場合、インターミディエイトシャフト・ベアリングの交換履歴も確かめたい。
インテリア
電装系には、CANバスと呼ばれる特殊なシステムが採用されている。すべての機能が動作するか確認したい。バッテリーやライト、メーター類の状態も確かめる。
トランスミッション
初期の987では、リアのメインシールからのフルード漏れが確認ポイント。滲んでいても、クラッチ交換のタイミングで対応すれば大丈夫だろう。
定期点検の間隔が長いだけに、トランスミッションからの異音にも注意したい。クラッチペダルが重い場合、クラッチ交換の時期が近いことを示している。
ブレーキとサスペンション
純正のブレーキは高価。事前に摩耗具合は確かめたい。制動力は強力。緊急停止のような場面でも、クルマは真っすぐ進んで停まるべき。
ロワアーム・ブッシュは6万4000kmくらいで駄目になる。コツコツと音が出るなら、トレーリングアームのボールジョイントが原因かも。
サスペンション・スプリングが折れるケースも珍しくない。クルマが傾いていないか、悪路を走って異音がしなか、確かめたい。
ボディ
ソフトトップのプッシュロッドの動きやテンション・ストラップの状態、排水ドレインの詰まりに注意したい。