【納車はいつ?】ミドシップ新型コルベット 右ハンドルが初めて誕生したワケ
公開 : 2021.05.22 05:45 更新 : 2021.10.13 12:04
あのGMが右がハンドルを設定 背景は?
スティングレイが使われないのは日本のファンにとっては残念でもあるが、逆に日本市場においては嬉しいトピックもある。
それはコルベット史上初となる右ハンドルの設定。
GMは「右ハンドルを設定しないメーカー」であり、それは日本市場においては不利な面があるのは否めない(かつては右ハンドル仕様もあったが現行ラインナップでは「キャデラック」も含めてコルベット以外の日本向けは全車左ハンドルの設定)。
その理由は、そもそもGMが右ハンドル市場に力を入れていないからである。
販売規模を考えると右ハンドルの制作は非効率的で採算性が悪いのだ。
しかし、嬉しいことに新型コルベットは右ハンドルを用意した。
その理由についてGMは「新型は世界戦略車と位置付けているから」と説明する。スポーツカーやスーパーカーを好まれるイギリスをはじめ、富裕層の多い香港やシンガポール市場なども視野に入れているのだろう。
実は、この右ハンドル設定にはメカニズムの変更も影響していると考えられる。
左ハンドルを前提に開発されたモデルに右ハンドルを用意するには、ステアリング系統やブレーキ系統の配置を左から右へ移す必要がある(ブレーキブースターは移さなくても可能だがその場合はブレーキフィーリングが劇的に悪化するのでスポーツモデルにとっては致命的なウィークポイントとなる)。
だからエンジンルームのレイアウトを変えざるを得ず、右ハンドルのためにエンジン補器類の大変更が必要なことも珍しくない。
しかし、ボンネット内にエンジンがなければ、右ハンドル化のためのレイアウト変更も比較的容易というわけである。
また、トランスミッションからMTが消えたことも、クラッチ操作系統のレイアウトを変更する必要から解放されたので、右ハンドルを作りやすい要因の1つになっていると考えられる。
日本でのデリバリー 予定どおりになる?
そんな新型コルベットの実車が日本で初公開されたのは、2020年1月の東京オートサロン。
同時にスタートした先行受注では、わずか3日間で300台以上の申し込みを受けたことも大きな話題となった。
しかし、それから1年半弱が経つが、日本の公道において新型コルベットが走る姿を目撃されたという話はない。
さらにAUTOCARのような自動車メディアでも日本を舞台にした新型コルベットの試乗記は公開されていない。
実は、日本でのデリバリーはこれからだからだ。
たしかに、昨年8月27日付の日本GMからのプレスリリースでは「デリバリー開始は2021年5月からを予定」とされていた。
昨今、新型コロナウイルスの影響による工場稼働や半導体不足など、新車の生産体制が乱れがちだが、その影響なども気になるところ。
はたして、どんな状況なのだろうか。それも含めて気になったのであらためて日本GMに確認してみた。
「日本でのデリバリーは予定どおり5月からはじまります」
日本GMから答えは、そう力強いものだった。日本の公道で新型コルベットが走る姿を見られるのも、そう遠くないだろう。