【この父にしてこの子あり】オリバー・ソルベルグ 19歳のラリードライバー WRCでの成功を訊く

公開 : 2021.05.24 21:45  更新 : 2022.11.01 08:57

ライバルは21歳のフィンランド人

トヨタに育てられたロバンペラは、今年のラリー・モンテカルロを終えた時点で選手権をリードするまでになっていた。ヒュンダイも自分たちのロバンペラを育てようとしているのである。

ロバンペラは静かで内向的な性格で、典型的なフィンランド人だ。一方、オリバーは父親の派手さを受け継いでいる。父親は、走行中のスバルの屋根に飛び乗って、ファンに手を振っていた。

オリバー・ソルベルグ(右)
オリバー・ソルベルグ(右)

「カッレ(・ロバンペラ)にとっても僕にとっても、父親の影響は非常に大きいと思います」

オリバーはそう認めているが、2人は距離を置いている。

「ラリーでは会って話をしますが、その合間には話すことはあまりありません。僕は自分の道を進むことだけに集中しているんです」

その道のりには、多くの学ぶべきことやテスト、そして厳しい自己評価が必要だ。

「ラリーが終わった後、学んだことをすべて書き出すのが好きです。イベントはすべて学ぶチャンスです。僕はより速く、より少ないミスで走らなければいけません」

オリバーの年齢では、ペターはまだ古いボルボを運転してノルウェーのクラブイベントに参加していた。それに比べてオリバーは、世界中でさまざまな最新式のマシンを運転する機会に恵まれている。そして、6月初旬に行われたラリー・イタリア・サルディニアでは、ヒュンダイのWRカーでの2回目の出場を果たしたばかりだ。

「すべてがあっという間でしたが、適応力を身につけることができました。次にハイブリッド・ラリーカーが導入されれば、誰にとっても新しいものになるので、そこにも自分のアドバンテージを見出すことができるかもしれません」

ラリーは長い間、若い精密技術者ではなく、経験豊富な剣闘士のような旧来の名人たちが支配するスポーツだった。しかし、今は違う。最新世代のマシンはまだ登場していないが、新世代のドライバーはすでにステージに上がっている。

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