レクサスCT200h Fスポーツ
公開 : 2014.02.25 21:30 更新 : 2017.05.29 19:24
■どんなクルマ?
2011年にヨーロッパに導入されて以来、レクサスのベストセラー・カーとなっているCT200hのマイナーチェンジ・バージョンだ。そのメインとなるのはスピンドル・グリルを採用したフロント・エンドである。
しかし、レクサスは、単に外観の変更だけでなく、テールゲートのまわりで20箇所以上の溶接スポットを増やした。その結果、悪名高いCT200hのサスペンションのスプリング・レートを高くすることができたという。また、NVHを中心に、レクサスらしからぬ味わいを消すために94箇所におよぶ改良を施している。
そのパワー・ユニットは、トヨタ・プリウスにも採用されている98bhpの1.8ℓエンジンと、81bhpの電気モーターという組み合わせがそのまま採用されている。しかし、よりコンベンショナルで直感的なドライブ・フィーリングを得るため、直線的な回転上昇となるようにコンピュータはリマップされている。
インテリアは、ロータリー・リモート・コントロールがインフォテーメント・システムのために採用された。
ビジネス・ユーザーからすれば、CO2排出量が削減され、同時に価格も下げられたことば良いニュースだ。15インチ・ホイールを履くベーシックなSグレードでは、£1,000(17万円)ほど値段が下げられ、CO2排出量も5kg/km低い82g/kmとなった。今回試乗した17インチ・ホイールを履くFスポーツ・グレードでさえ、以前に比べて£1,250(21万円)安くなっている。また、CO2排出量も11%低い95g/kmとなっている。
■どんな感じ?
初代のCT200hが愛すことができないクルマであったかもしれないが、少なくともこのセカンド・ジェネレーション・モデルではそういったことはなくなってはいる。その称賛の原因は、リアのスポット溶接にあるといえる。セスペンションがしなやかになったのが、すぐに分かる。Fスポーツの17インチ・ホイールでは、その流暢さはまだまだライバルに負けているかもしれないが、少なくとも脳みそを揺り動かくような前モデルのフィーリングななくなった。
また、エンジン速度と実際のスピードとの関連性も遥かに説得力のあるものとなった。特に中速域での改善は目覚ましい。静かで快適な走行が楽しめる。しかし、フロアが共鳴するようなフィーリングがまだあるのも事実だ。
メーカーのアナウンスによれば0-100km/h加速は10.3秒というが、バッテリーが目一杯積まれたハッチバックは、実際にはもっと遅い感じがする。なかなか交通の流れにスムーズに乗るのは難しいようだ。
レクサスはそのステアリング・コラムの強度も高めたという。しかし、ISから移植されたホイールを持つFスポーツでは、その効果は余り見られなかった。フィードバックが不足しているのだ。また、ブレーキのタッチも、最悪の部類に入るものだった。
■「買い」か?
そのエフィシェンシー以外に、CT200hを推薦する理由はあまりみつからない。以前のモデルよりは、より安く、より静かで、より快適になったが、それはこのクラスのレベルを超えるものではない。燃費もレクサスの言うように24.4km/ℓというわけにはいかず、実際には3日間のテストで15.9km/ℓを超えることはなかった。
残念ながら、もっと税制で優遇されるディーゼル・モデルや、オールラウンダーなモデルをわれわれは推薦するだろう。
(ニック・カケット)
レクサスCT200h Fスポーツ
価格 | £26.745(457万円) |
最高速度 | 180km/h |
0-100km/h加速 | 10.3秒 |
燃費 | 24.4km/ℓ |
CO2排出量 | 94g/km |
乾燥重量 | 1410kg |
エンジン | 直列4気筒1978cc + モーター |
最高出力 | 134bhp + 81bhp |
最大トルク | 14.5kg-m + 21.2kg-m |
ギアボックス | E-CVT |