【詳細データテスト】ミニ・コンバーチブル らしさ健在の走り 角の取れた乗り心地 実用性もほどほど

公開 : 2021.05.29 20:25

結論 ★★★★★★★★☆☆

ミニ・コンバーチブルのライバルである、手頃な価格のソフトトップカブリオレが数多く消えたことは、自動車産業が受難のときを迎えていることの証かもしれない。とはいえ、実際のところこのニッチなマーケットからの撤退は、もう少し前からはじまっていた。

時勢が厳しくなると、この手の遊びグルマの需要が減るのは世の常だ。しかしながら、もともとメーカーにとっては、量販モデルをベースに本当に魅力的で走りに納得できるオープントップ仕様を開発するのは難しいことだ。

結論:ミニのコアとなるモデルはまだまだイケている。それがたとえコンバーチブルであっても。
結論:ミニのコアとなるモデルはまだまだイケている。それがたとえコンバーチブルであっても。    OLGUN KORDAL

しかも、それを許容する生産キャパシティを確保し、しかも利益を得るのはさらに難しい。そこでほとんどのメーカーがギブアップしてしまうのだ。

ミニがいまだに、そうしたもろもろを成功させていられることは、エンジニアリングの腕前がすばらしいのはもちろん、ブランド力や、顧客への直観的な理解ぶりを証明するものだといえる。

ミニは中心となるモデルをみごとな手際でアップデートしたが、もうしばらくは競争力と絶対の個性を保ち続けられるよう、しっかりと準備された上で行われたものでもある。

元気で機敏、そして装備がよく考えられている3ドアのクーパーSを、オートカーとしては長年にわたりミニのおすすめグレードとしてきた。しかし、夏休みを充実させたい、さらには人生を楽しみたいというなら、オープンバージョンを選択しても損はない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

ミニに乗るときはシートをできるだけ低くしてしまいがちだが、コンバーチブルは唯一の例外となっている。たたんだソフトトップは後方視界を損ねるが、ヒップポイントをフロアから5cmほど高くとると、ルームミラーでの確認がしやすくなるからだ。

リチャード・レーン

今回のテスト車のようにギアボックスの出来がよかったとしても、この手のシンプルなドライバーズカーでは、やはりDCTよりMTを選びたい。とはいえ、多くのオーナーはそう思わないだろう。ミニはたしかに、とてもなめらかに作動するものを提供してくれている。

オプション追加のアドバイス

クーパーSは、間違いなくこのミニにふさわしいエンジンを積んだクルマだ。さらにスポーツ仕様を選ぶと、レートを高めたダンパーが備わり、ハンドリング性能が向上する。MTと17インチホイールは譲れない選択肢だ。700ポンド(約9.8万円)のコンフォートと1100ポンド(約15.4万円)のナビゲーションの各パッケージオプションを追加したい。

改善してほしいポイント

・スポーツ仕様でも、ピアノブラックの外装トリムはレスオプションを用意してもらいたい。このパーツ、どうにも浮いてみえるのだ。
・ナビゲーションパックくらい、標準装備にならないものか。Apple CarPlayにカネを払わされるというのは、いまどき納得できる話ではない。
・スペック表のパワー表示を、2020年以前のレベルに戻す手立てはないだろうか。それくらいの操作なら、だまされたと騒ぐ客もいないはずだ。

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