【詳細データテスト】ミニ・コンバーチブル らしさ健在の走り 角の取れた乗り心地 実用性もほどほど
公開 : 2021.05.29 20:25
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
これまでスポーティー志向のミニは、えてして乗り心地が硬くなりがちだった。ところが、このクルマはその傾向があるものの、ひどくこたえるほど硬かったり過敏だったりはしないし、シャシーの限界に挑むほどサスペンションを締め上げているわけでもない。ましてや、ボディの歪みやスカットルシェイクが目立つものでもない。
このクーパーSは、ルーフをオープンにしていても、路面の悪いカントリーロードをかなり活発に走ることができる。ミニのトレードマーク的なレベルは保持し、路面をしっかり捉えるボディコントロールを発揮するが、バンプを越える際にもルームミラーが震えるようなことはなく、リアのヘッドレストが揺すられたりもしない。
安心して運転していられるような一体感が、このクルマの動き方にはある。それは、一般的なコンパクトコンバーティブルにはみられないものだ。
さすがに、ハードなコーナリングの際に、荷重がかかっている側のタイヤがきついバンプを乗り越えると、キャビンへ衝撃が多少なりとも伝わってくる。ブレーキングで前のめりになりながら路面を横切る隆起を通過するときにも、同じようなことが起こる。
しかし、そんな状況ではどう走っても車体が跳ねて乗り心地が荒くなってしまう。そして、そうなることはしょっちゅうあるものではない。
クルージング時の室内騒音は、通常のミニよりやや大きい。それでも、70dBという数値は、2014年にテストしたクーパーSハッチバックを1dB上回るに過ぎない。
ルーフを開けても、リアシートの上にウインドディフレクターを立て、サイドウインドウを上げると、風の音はするものの、巻き込みは十分に防げる。それは、高速道路を走るような速度域でも変わらない。