【上品で見返りの多いSUV】レクサスRX 450h Lへ英国試乗 7シーターのハイブリッド 前編
公開 : 2021.06.06 08:25
英国では3.5L V6ハイブリッドのみの提供となる、静かで快適なレクサスRX。7シーターとなるLを、英国編集部が評価しました。
後端を110mm伸ばして7シーターへ
今回試乗するのは、レクサスが欧州で提供する最も大きなSUV、RXの7シーター仕様だ。標準ボディのRXは2015年に英国での販売が始まっているが、ロングボディのLは2018年に上陸している。
どちらのRXも2020年にマイナーチェンジを受けている。前回試乗したのは、標準ボディのFスポーツだった。より実用性で勝るロングボディに乗るのは、今回が初めてとなる。
通常のRXと比較して、Lは全長が110mm長い。伸びた全長はすべて、リアのオーバーハング部分に充てがわれている。3列目シートの空間と荷室を得るために、長いリアウインドウなどもL専用のものだ。
ボディを伸ばすと、完成してから増築された家のように不格好になりそうだが、シャープでエッジの効いたデザイン処理で上手に後付け感を隠している。7シーターのSUVで見た目が良いモデルは少ないが、RXは悪くない。
英国のRXは、基本的にガソリンエンジンのハイブリッドのみが提供される。四輪駆動だが、リアタイヤ側はAC同期モーターが別に駆動力を生み出す。
前回のフェイスリフトでは、見た目の小さな変更に加えて、シャシーまわりの強化も施された。ダンパーは見直され、アンチロールバーはより強固なものになっている。
インテリアの装備として先に触れるべきは、12.3インチのインフォテインメント用タッチモニターを得たこと。アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応する。
英国では競争力のある価格設定
欧州の上級グレード、タクミを選択すると、ワイヤレスの充電パッドとヘッドアップ・ディスプレイも付いてくる。オプションとして、個別に追加も可能だが。
2列目シートは、3名掛けのベンチシートだけでなく、2脚のキャプテンシートを組めるようにもなっている。シート角度の調整域が広がり、3列目シートの空間も少しだけ広くすることができるという。
登場から数年が経つRXだが、2020年により安価なエントリーグレードを英国では投入。カンフル剤として注目度を高めることに成功している。
7シーターに20インチのアルミホイール、ふんだんな運転支援システムなどが付いた状態でも、5万5000ポンド(825万円)を切る価格でRXのオーナーになることが可能になった。それは、今でも変わらない。
ラグジュアリーSUVのライバルとしては、マイルド・ハイブリッドのボルボXC90のほか、ディーゼルエンジンのBMW X5やランドローバー・ディスカバリーなどが挙げられる。6万ポンド(900万円)を切る価格には、競争力がある。
ドアを開いてRXの車内を眺めてみると、高級でソリッドな素材が用いられ質感は高い。デザインの処理は少し古め。そのかわり、ダッシュボードなどには触感の良いボタンやスイッチ類が沢山ある。
メーターパネルにはアナログのメーターが並び、ダッシュボードの中央にはアナログの時計もあしらわれている。RXのインテリアは好印象だ。