【現時点の最後で最新】TVRサガリス 英国版中古車ガイド 411psのスピードシックス
公開 : 2021.06.09 08:25 更新 : 2021.07.12 18:45
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「私のサガリスは、とても要求の高い初代オーナーによって仕立てられています。底値だった次期に購入できたことは、とてもラッキーでしたね」
「サガリスの問題は、エンジンの維持に手間がかかることと、トランスミッションの不具合。新しいMEBと呼ばれるエンジン制御ユニットが利用できるため、ECUをアップデートする人は少なくありません」
「クルマはとてもダイレクトでレスポンシブ。しかし、トラクション・コントロールだけでなくABSもないので、運転には充分な配慮が必要です」
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
TVR社製のスピードシックス・ユニットは、もともと信頼性が高くなかった。だが4.0Lに排気量が増やされサガリスへ搭載されるまでに、主要な問題は解決されている。とはいえ、多くのユニットがリビルドを受けているはず。
排気量が4.3Lや4.5Lに拡大されている例もある。もし内部に手を加えるなら、作業内容の保証は不可欠だ。
オイルの消費が多い場合、フロントのクランクシールのほかに、サンプワッシャーが原因のこともある。マウント付近からの異音にも耳を澄ませたい。
トランスミッション
クラッチは、プレッシャープレートの摩耗前に駄目になるケースが少なくない。走行距離が短くても、一度交換しておいた方が良いだろう。OEMとなるAP社製の部品を用いても、英国では800ポンド(12万円)ほどは必要だ。
4速から5速へ入りにくい場合は、変速を補助するシンクロメッシュが壊れている可能性を疑う。珍しい不具合ではない。リバースにはシンクロがなく、バックする際は一度1速へ入れて回転速度を合わせるのがベスト。
ボディとシャシー
フロントとリアのスプリッターは割れやすく、修理も安くはできない。歩道に乗り上げたり、速度抑止用のスピードバンプを通過する場合は、丁寧に行いたい。
シャシーは錆びる可能性があるものの、多くのクルマは乾燥した環境で維持されている。雨の日は運転しない方が賢明だが、定期的に状態を確認し、保護塗装を施していれば大丈夫だろう。
電気系統
ABSやエアバック、トラクション・コントロールなどは付いていない。基本的に電装系は、パワーウインドウやライト、ダッシュボードのハーネス関係の不具合に限定される。
ECUに不具合がある場合、水温が正しく表示されないことがある。ヘッドガスケットが吹き飛ぶ前に、一度検査した方が良いだろう。