【アミとの幸せな暮らし】シトロエン・アミとの数週間 8psの電動マイクロカー 前編
公開 : 2021.06.12 09:45
露出した金属フレームに布製のドアハンドル
何時間もアクセルペダルを踏み続け周囲の流れに合わせて運転し、航続距離69kmのバッテリーを何度も充電して、その結論が見えた気がする。アミへ乗る目的や求めるものに、評価は依存してくる。
そこで重要になるのが価格。英国の通貨に換算すると、1台6000ポンド(90万円)になる。あるいは、2500ポンド(38万円)を先に払い、毎週20ポンド(3000円)を支払う分割もできる。フランスなら1分約38円でレンタルも可能だ。
最も安価なコンパクトカーや、同じくらいの価格の中古車と比較してしまうと、アミの立場は弱い。スピードは出ないし、実用性や安全性などでも及ばない。しかし、それ以外の強みもある。
アミに求められる制約は少なくない。乗れるのは2人だけだし、充電ソケットは助手席ドアの後ろに付いていて不自然。シートは酷いとまではいわないが、快適とはいい難い。ドアハンドルは布製のベルトで、時々何かに引っかかる。
コスト削減の解決策は、すべての人が気持ち良く感じられるものではない。車内には、大型テントのような金属フレームが露出している。アミが、四輪の軽車両だということを思い出させる。
欧州では自動車扱いにはならない。安全性はスクーターに乗っているより高い、といったところだろう。
しかしアミを評価するとき、この側面だけを見るのでは不十分だ。航続距離69kmという数字は、基本的に市街地だけでの利用を前提としている。メーターの数字通り、ちゃんとその距離が走れる。近所の買い物には充分な距離といえる。
この続きは後編にて。