【日本版グッドウッド】サイドウェイトロフィー、袖ヶ浦で開催 現地レポート
公開 : 2021.05.31 16:25 更新 : 2021.10.09 22:28
日本で唯一? 2/3/4輪が出走する
ヴィンテージTT(ツーリスト・トロフィー)、サラブレッド・グランプリ、ゴールデンエラ・トロフィー、プロダクションTT、そして走行会のカフェレーサーズ・トリビュートランがそれである。
クラシック2輪の世界はもともと4輪よりも服装や時代考証にこだわりが強く、今回も袖ケ浦FRWのシンプルなピットエリアを1960年代の空気感にしていた。
興味深いのは、サイドウェイトロフィーでは「参加車両がそれなりに集まれば」という条件付きだが、サイドカーのレースであるフレディーディクソントロフィーが用意されている点だろう。
今回のイベントでは9台のエントリーを集めたこのクラスには、本格的なものから自作のマシンが参加。
ライダーと体重移動によってコーナリングスピードに加担するパッセンジャーが協力して走る姿が注目を集めた。
一方4輪は走行会のRACメモリアルと、スポーツカーによるレースであるエバーグリーンカップ、サルーンカーを対象にしたティントップカップ、そして40分の耐久レースであるセブリング40mというおなじみのカテゴリー分けがされていた。
ゆったりと、でもヘルメットをかぶったら
はじめてサイドウェイトロフィーを訪ねた人は、その独特の空気感に驚かされるに違いない。
そして現代的な服装をしてきたことにちょっとした後悔の念を覚える。
メカニックは白いオーバーオール(ツナギ)を着て、ドライバーはレーシングスーツの上にツイードのジャケットを着てキメている。
女性は華やかでちょっと懐かしい衣装に身を包み、イベントに花を添えている。そこにはレースという言葉から想像されるような緊張感はあまり感じられないのである。
だがエンジンに火が入り、ドライバーがヘルメットのバイザーを下ろせば、そこからはモーターレーシングのはじまりだ。
フリー走行や予選はリラックスした肩慣らしだが、決勝となればドライバーも観客も熱くなる。
特に2ドライバーで競われるセブリング40mは、ピットイン時に主催者が定めたハンディキャップを消化するため、全ての車両に勝つチャンスがある人気のレースだ。
今回はレース終盤まで1位を独走していた佐藤/後藤組のアルファ・ロメオ・ジュリアを、安藤/大喜多組のジャガーEタイプが猛追する展開が注目を集めた。
だが最後はジャガーがスピンをして万事休す。ベテランの佐藤/後藤組がトップでチェッカーを受け、ホームストレート上でおこなわれる暫定表彰でシャンパンのコルクを高らかに飛ばしたのだった。
次回のサイドウェイトロフィーは11月28日に開催が予定されている。