BMW M235i
公開 : 2014.02.27 22:00 更新 : 2017.05.29 17:59
■どんなクルマ?
英国スペックのBMW M235iだ。このモデルはこれまでのM135iクーペの後継モデルであり、現行2シリーズのトップ・モデルでもある。われわれはすでにネバダでその8速ATギアボックス・バージョンをドライブしたが、今回はスペインで6速マニュアル・モデルをドライブする機会を得た。
その価格は8速ATの£35,795(615万円)に対して、£34,250(585万円)だ。ちなみに、装備の違いはあるものの日本での価格はこれより安く、8速ATモデルが5,980,000円、6速MTモデルが5,840,000円というプライス・タグが付けられている。
但し6速MTモデルは0-100km/h加速が8速ATモデルよりも0.2秒遅い5.0秒、燃費は0.8km/ℓ悪い12.4km/ℓ、そしてCO2排出量も13g/km多い189g/kmだ。しかし、繰り返すようだが価格は£1,650(約28万円)安い。
標準装備は必要にして充分で、18インチ・ホイール、デュアル・ゾーン・エアコン、本革製のシート、DABラジオおよびオートマティック・ヘッドランプが装備される。アダプティブ・サスペンションは£515(9万円)のオプションで、メカニカル・ノンスリップ・デフはディーラー・オプションとなる。
■どんな感じ?
ほんとうに素晴らしいドライブ・フィーリングだ。ステアリング・ホイールを握るわれわれを失望させることは全くなかった。
殺気立った1シリーズMクーペと、M135iとの間のスイート・スポットをうまく理解しているようで、コンパクトなリア・ドライブ・スポーツとしては非常に高いレベルにある。
M235iの最大の特徴は、その調和のとれたバランスにある。6000rpmを超えて更に活発になるストレート・シックスのパワーをシャシーが綺麗に受け止める。速く限界は高いが、そのトラクションの限界を越えてしまっても楽しいクルマだ。常にボディ、ステアリング、乗り心地のバランスがうまく取れている。
6速マニュアル・シフトのシフト・ラグが殆どパフォーマンスに影響を与えないのは、そのパワーユニットをはじめとするM235iのパフォーマンス自体が高いせいもある。確かに8速ATのほうが素早いシフトアップによってより素晴らしいパフォーマンスを発揮するのは確かだが、マニュアル・シフトを駆る楽しさは捨てがたい。左足とシフト・レバーを駆使して走ることは、必ずしも悪いものではないと再確認させられた。
乗り心地に関する最終的な評価は、英国国内での試乗をしてみないと結論は出せないが、スペインの路上では美しいほどのコントローラブルな足まわりを披露してくれた。しかし、若干、凹凸のある路上では、落ち着きがない傾向もみられたのも事実だ。
■「買い」か?
間違いなく「買い」な1台だ。ポルシェ・ケイマンほど高くなく、トヨタGT86よりも明らかなチープな作りもない。そのバランスがとれた、所有力をわきたてるクーペであることは間違いない。その高いハンドリング能力だけでも、充分に説得力のあるクルマであるといえるだろう。
(ニック・カケット)
BMW M235i
価格 | £34,250(585万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.0秒 |
燃費 | 12.4km/ℓ |
CO2排出量 | 189g/km |
乾燥重量 | 1470kg |
エンジン | 直列6気筒2979ccターボ |
最高出力 | 322ps/5800-6000rpm |
最大トルク | 45.9kg-m/1300-4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |