【0-100km/h加速は1秒台】新型リマック・ネヴェーラ 正式発表 クロアチア発のEVハイパーカー
公開 : 2021.06.02 06:05 更新 : 2021.06.04 09:15
リマックC_Twoがついに市販化。ネヴェーラと命名された新型車は150台限定のハイテクマシンです。
クロアチアの嵐「ネヴェーラ」
クロアチアの電動ハイパーカーメーカーであるリマックは、先鋭的なコンセプトカー「C_Two」に数々の改良を加え、新たに「ネヴェーラ(Nevera)」という名前を付けて生産を開始する。
2018年3月にC_Twoが発表され、以後3年間にわたる開発の集大成である200万ユーロ(約2億6000万円)のネヴェーラは、クロアチアの海岸線で発生する強力な嵐に敬意を表して命名された。
リマックは、2018年に発表した「野心的な性能目標」を追求するために、エンジニアたちが「あらゆるレベルで新しいフラッグシップを洗練させた」としており、部品のほとんどに特注の自社開発品を使用している。
この目標に沿って、コンセプトモデルのパワートレインは、ほとんどが市販モデルに引き継がれている。ネヴェーラは、各ホイールに高出力モーターを搭載し、合計で1914psと240kg-mのトルクを実現。
これは、従来の燃焼エンジンを搭載したスーパーカーの3倍に相当するパワーだとリマックは述べている。同社によると、0-300km/h加速は当初の計画よりも2.5秒早い、9.3秒で達成できるという。
また、0-100km/h加速がわずか1.85秒、1/4マイル(402m)を8.6秒で走り抜けることができると謳われているネヴェーラは、アスパーク・アウルに次ぐ加速性能を誇り、最高速度は415km/hと、W16エンジンを搭載したブガッティ・シロンとほぼ同等だ。
可動式エアロパーツを多数搭載
電力は、H型の120kWhバッテリーに蓄えられる。このバッテリーは、最大1.4MWの電力を生み出し、WLTPサイクルでの航続距離は547kmになるとされている。また、バッテリーはモノコックシャシーの構造の一部となっており、剛性を37%高めるとともに、前後重量配分が48:52となるように配置されている。
リマックによると、ネヴェーラのセントラル・モノコックは、自動車業界全体で使用されている単一ピースのカーボンファイバー構造の中で最大のものだという。
全体的なデザインはC_Twoと同じだが、ディフューザー、インテーク、ボディパネルに微妙な調整を加え、当初のプロトタイプと比較して空力効率を34%、ブレーキとエンジンの冷却性能(低速時)を30%向上させたとしている。
アンダーボディプレート、フロントボンネット、リアディフューザー、スポイラーなど、一部のボディパネルは空気の流れに応じて独立して動く。ダウンフォースを326%向上させる「ハイダウンフォース」モードと、空力効率を17.5%向上させる「ロードラッグ」モードを備えている。
また、従来の電子制御式スタビリティー・コントロールやトラクション・コントロールではなく、「全輪トルクベクタリング2」と呼ばれるシステムを採用することで、必要に応じて「正確なトルク量」を各ホイールに伝達できるほか、毎秒100回の計算を行い、「路面やコースの状況に応じて無限に変化するダイナミックな反応」を可能にしている。