【詳細データテスト】シトロエンC4 狭いスイートスポット 穏やかに走るのがベスト 快適性は要改善

公開 : 2021.06.05 20:25

古きよきシトロエンらしさの復興を目指したC4は、たしかに個性的なデザインとメカニズムで個性を主張するブランドの伝統に則っていました。しかし、高いポテンシャルを引き出すには、さらなるチューニングが必要です。

はじめに

わずかな空白期間を経て、C4が帰ってきた。3代目となる中型ハッチバックの個性派は、このフランスのメーカーがハッチバックのセグメントで長年にわたり伝統としてきたイノベーションを理解した上で生み出されたという。はたして、その革新性がここにはあるだろうか。

本当に革新的なシトロエンのファミリー向けハッチバックを思い出すには、かなり時代を遡る必要がある。絶賛されたGSが欧州カーオブザイヤーを獲得したのは、じつに50年前の1971年だ。それ以来、シトロエンはこの栄冠を、たったの2度しか獲得していない。

テスト車:シトロエンC4ピュアテック130シャイン・プラス・オート
テスト車:シトロエンC4ピュアテック130シャイン・プラス・オート    OLGUN KORDAL

その後、数十年にわたってBXやZX、クサラなどが多くの支持を集めてきた。しかし、快適性と効率を最優先した新型C4においてシトロエンが引き合いに出した斬新なハッチバックとは、間違いなくGSのことだ。

これは、顧客にインスパイアされたクルマだ、とシトロエンは説明する。典型的なハッチバックとコンパクトSUVを掛け合わせたそれは、肉太で背は高いのだが、テーパーの効いたエクステリアを持つ。室内は広くバーサタイル性があり、リラックスできる。そして、カスタマイズのためのオプションが豊富に用意されている。

そう聞けば、これぞスマートで、手頃で、これまでとは異なる、現在のマーケットの嗜好にぴったり合わせたファミリーカーだと思えてくる。

パワートレインはガソリンとディーゼルだけでなく、およそ350km航続可能なEVのe−C4も設定される。これはステランティスと名を変えた旧PSAグループの兄弟車たちと同じだ。しかし、外観も内装も、そしてサスペンションのスペックも独自の、競合車にも身内にもみられないものだ。

はたして、新車が目白押しのCセグメントハッチバック市場で、このクルマはどれほどのランクに位置することになるのだろうか。その実力をじっくり探っていこう。

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