【詳細データテスト】シトロエンC4 狭いスイートスポット 穏やかに走るのがベスト 快適性は要改善

公開 : 2021.06.05 20:25

結論 ★★★★★★☆☆☆☆

シトロエンの3代目C4は、賢明さと風変わりさが同居し、興味深い点がいくつも見出せるクルマだ。

絶対的な評価では、実用性が際立ったCセグメントハッチバックだとはいえない。とはいえ、価格は手頃で装備は充実し、日々をともに過ごすうえでありがたいと思えること間違いなしの使い勝手がいい点もいくつかそなえている。

結論:合理的な点でも、そうでない部分でも魅力はあるが、ファインチューンが十分になされていない。
結論:合理的な点でも、そうでない部分でも魅力はあるが、ファインチューンが十分になされていない。    OLGUN KORDAL

たしかにリラックスした、効率的で、大股で走るような古きよきシトロエンの雰囲気が、このクルマのキャラクターには見出せる。しかし、残念なのはこのC4が、ポテンシャルを存分に発揮できていないことだ。

特定の状況下で最適な扱い方をすれば、洗練されたところを披露してくれるのだが、それ以外では快適性や静粛性のレベルにガッカリさせられる。また、シトロエンが運転しやすさを高めようと打った手のじつに多くが、このクルマの運動性から守備範囲の広さや直観性を損ねてしまっているのだ。

このクルマの価値のポジショニングと、その斬新だが実用本位という部分は、現在の安全性と便利さを優先したファミリーカー市場において、その独創的なスタイリングと同じく際立つに違いない。

走りにうるさいドライバーなら、このクルマへの関心は薄いだろう。それでも、もっと丹念に運動性に関するチューニングをしていれば、注目を集めたはずだと思えてならない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

計器盤が浮かんで見えるディスプレイのバックライトは、なぜだか魅力的で目を引く。ちょっとしたことだが、大きな違いだ。だって、しょっちゅう視線を送る場所なのだから。

リチャード・レーン

フランスの幹線道路には、C4のサスペンションがうまく機能するような、開放的なスペースを通っているのだと思いたいが、それは希望的観測というものだろう。ゴツゴツした、穏やかでないアンジュレーションの多い英国のB級道路では、穏やかなペースでないとこのクルマのよさを味わえないが、それでは走らせ甲斐がない。残念だ。

オプション追加のアドバイス

おすすめはピュアテック130のAT車で、グレードはセンスプラス。必要となるだろう装備は、それですべて揃うと思っていい。545ポンド(約7.6万円)のキャラメルブラウンメタリックは斬新な印象のボディカラーで、それを追加しても2万5000ポンド(約350万円)以下で買える。

改善してほしいポイント

・乗り心地のチューニングは続けてほしい。もっと幅広い速度レンジやさまざまな路面で、本当に快適だといえなくてはならないし、もっと静かであるべきだ。
・低速域から高速域まで、ステアリングの一貫性を高めてほしい。
・フロントシートの形状にもう少し手を加えれば、さらにコンフォート志向が強まるはずだ。

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