【詳細データテスト】シトロエンC4 狭いスイートスポット 穏やかに走るのがベスト 快適性は要改善
公開 : 2021.06.05 20:25
内装 ★★★★★★★☆☆☆
シトロエンは、このクルマをコンフォート志向のポジショニングとしたため、ドライビングポジションはほどほど高く、ややフラットだが幅広いシートは、通常のハッチバックのそれよりもクッションを効かせているという。
快適性はそこそこだが、たしかに幅広くフラットなので、乗降性には優れるが、横方向のサポート性は十分とはいえない。クッションも効かせたという割にはやや足りず、座面の角度調整も備わらない。ランバーサポートも十分とはいえない。ただし、もっと調整の効くシートが必要ならば、オプションで選ぶことが可能だ。
運転席周辺のスペースは平均レベル。シトロエンはクラストップレベルという後席のニールームだが、これはフロントシートをめいっぱい前へスライドした場合ではないかと思う。というのも、運転席を典型的な大人のポジションに合わせると、後席の広さも平均の域を出ないからだ。そしてヘッドルームは、大人には物足りない。
荷室容量は、パーセルシェルフの高さまでで380Lと、これまた平均的。もちろんこのクルマは、欧州Cセグメントのコンパクトカーにほかならない。とはいえ、実用性重視で選ぶクルマにはなれそうもない。
計器類とインフォテインメント系は、型にはまらないレイアウトで、鮮明さに欠けるが、操作しづらいというほどではない。ドライバーの目の前には、こじんまりしたデジタルメーターディスプレイが設置され、きわめてシンプルなデジタル速度計を表示し、それ以外の情報はわずかだ。回転計が加わるモードもあるが、その表示は小さい。
テスト車にはヘッドアップディスプレイが装備され、フロントウインドウではなくポップアップ式のスクリーンに投影される。有用なインフォメーションを追加してくれるのだが、メーターディスプレイともども、表示内容変更の選択肢は限定的だ。
主要な操縦系の左側にある、十分なサイズのインフォテインメントシステムは、使い勝手を高める実体スイッチも備える。エアコンも、手応えや素材感が魅力的な実体コントロールパネルで操作できる。
マテリアルの設えと仕上げの水準はやや雑然としており、硬く粗い樹脂パーツも多い。ただし、クロームパーツによって、高級感は効果的に演出されている。
キャビンはまた、本当に使いやすい収納スペースやアイテムを備えている。その一例がスマートパッドサポートシステムだ。これは助手席側ダッシュボードに内蔵されたスライド式のトレーで、フルサイズのタブレットPCを差し込めるクレードルが付いている。さまざまなタッチパネル式の機器に対応し、取り付けたデバイスの画面は、使用時にドライバーの目を煩わせないようフィルターで覆われる。