【英国生まれの2代目】ホンダ・シビック・タイプR 英国版中古車ガイド 名機のK20 VTEC
公開 : 2021.06.11 08:25 更新 : 2021.07.12 18:45
EP3型タイプR オーナーの意見を聞いてみる
オーウェン・ロイド
「好きにならない理由がわかりません。アイコン的な存在ですよね。K20型エンジンを載せた中古車として、手頃な値段は注目です。先代より一気にパワーアップし動的性能も高められており、取り引き価格は上昇しているようです」
「EP3は、思いっきりガソリンを燃やしたくなるクルマ。走りは信じられないほど激しい。間違いなく楽しいです。しかし落ち着きには欠けます。クラッシュしたクルマが多い理由でもあるでしょう」
「1980年代のプジョー 205 GTiに似ている感じ。コーナー途中でアクセルを一気に抜くと、挙動不審になるんです。それがエキサイティングでもあるのですが」
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
16万kmまでのタイミングチェーン交換は不可欠。新しいエンジンへ載せ替えるより、はるかに安価に済む。まだの場合は値下げ交渉に使えるだろう。
エンジンを高回転域まで回すなら、10分以上のウォームアップが済んでから。3速や4速で6000rpm付近まで回して、VTECの切り替わりを体感できない場合、エンジンオイルの不足などの可能性がある。メンテナンスも怪しい。
トランスミッション
変速をアシストするシンクロメッシュは、ハードな使い方を続けると不具合を招く。カーボンで強化されたシンクロには、英国では約300ポンド(5万円弱)で交換可能。
2004年のフェイスリフト時に、操縦性を向上させるためフライホイールが軽量化されている。クラッチ交換に合わせて、軽いフライホイールへ一緒に交換するのも良い手だ。
リミテッドスリップ・デフの装着も可能。ステアリングフィールが改善され、アンダーステアが抑えられる。検討したいモディファイの1つ。
サスペンションとステアリング
オリジナルのショーワ社製ショックアブソーバーはへたりやすい。多くが交換済みだろう。アライメント調整のボルトが固着することがある。日本仕様のアンチロールバーは硬く、コーナリングレスポンスが向上する。
ボディとシャシー
サイドシルやリアのフェンダーアーチがサビている場合、その内側にもっと酷い被害が広がっている可能性も。板金修理で修理は可能。フェイスリフト後のEP3型は特に、フェンダーアーチ内に水分を含みやすい防音材が入っていて錆びがち。
ヘッドライトのクリアレンズは濁る。艶を失ったホイールは再塗装で輝きを取り戻せる。赤色のボディは退色しやすいが、磨けば復元できる。
インテリア
オプションは限られていた。英国にはエアコンレスも流通しているが、エアコン付きを探す価値はある。フロントシートは摩耗しやすいものの、交換用シートは見つけやすい。
快適なレカロシートに赤い内装と、プライバシーガラスが与えられた30thアニバーサーリーが英国では販売された。フェイスリフト後には、レザー巻のモモ社製ステアリングが付くプレミア・エディションも出ている。