【エンジン車消滅の危機?】ユーロ7 過酷な排出ガス規制 ハイブリッドも適応困難か 業界団体反発

公開 : 2021.06.03 06:45

規制強化にメリットはあるのか

ACEAはまた、新しい規制値に対しても強く反発している。規制値があまりにも低いため、実際のテストでクルマに取り付けられる車載式排出ガス測定システム(PEMS)では、正確に測定することが非常に困難になる。その結果、PEMSにはより高い正確性が求められるという。

しかし、CLOVEのメンバーであるジョン・アンダーソン(技術コンサルタント会社Ricardoの排出ガス測定および基準に関する専門家)は、AUTOCARに対し、排出ガス測定の問題は現在検討中であると語っている。

欧州ではすでに、多くのメーカーがAセグメントから撤退している。
欧州ではすでに、多くのメーカーがAセグメントから撤退している。

同氏は次のように述べている。

「PEMS側としては、ユーロ7の最終的な規制値は、測定システムの能力を考慮した上で設定されるというのが妥当だと思います」

こうしたCLOVEの提案に対し、ACEAは次のように述べている。

「提案されている極めて低いNOx規制値と、非常に厳しいNO2およびNH3(アンモニア)の規制値を満たすように設計されたクルマは、非常に複雑でコストがかかったものになるだろう」

「技術要件をここまで追い込むことで、CO2と燃費の改善の可能性を著しく制限し、車両の耐久性と運用コストに大きな不確実性をもたらす」

欧州委員会はすでに、アムステルダム市、欧州キャラバン連盟、オーストリア連邦経済会議所、スイス連邦環境局、部品メーカー大手のボッシュなど、さまざまな企業・団体からCLOVEの提案に対する意見や批判を受けている。

集まった意見の多くは、「粒子状物質の排出規制を大幅に強化しても意味がない」というものである。なぜなら、ユーロ6d適応車ではすでに、粒子状物質の排出の大部分はブレーキダストとタイヤに起因しているからである。

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