【クラスに生じる激しい競争】BMW iX 試作車の助手席に同乗 航続600km 総合523ps 前編

公開 : 2021.06.05 08:25

ボディサイズはX5に近い

BMW iX全体のプロポーションはやや背が低く、SUVというよりもクロスオーバー的。スクエアなフェンダーラインも特長といえる。ホイールは20インチが標準。オプションで22インチまで拡大可能だ。

BMWによると、iXという名前は最新の純EVラインナップとして、フラッグシップに相当するという理由で与えられたという。実際の大きさの印象としては、iX5といった感じ。全長は4953mm、全幅は1967mm、全高は1695mmとなる。

BMW iX プロトタイプ
BMW iX プロトタイプ

ちなみに現行の4代目BMW X5より、31mm長く、37mm狭く、50mm低い。ホイールベースは3000mmで、8mmだけ長い。

ドアハンドルのような黒い部品がドアに付くが、物理的なメカニズムはない。触れるだけで、電気的に開く。この辺りからも、単なるX5の派生モデルではないことがわかる。

ドアを開くと、サイドシルは幅が狭く、フロアの位置は高い。よく観察すると、ボディ内側の構造がカーボンで作られていることがわかる。プロトタイプでは塗装されていなかったが、量産版でも同じ処理となるようだ。

英国では2021年11月からデリバリーが始まる予定。iX 40 xドライブと、iX 50 xドライブの2グレードが用意され、どちらもツインモーターで四輪駆動が標準となる。今回同乗したのはiX 50 xドライブの方だった。

BMW M社が開発するiX M60も進行中だが、こちらは2022年の登場となる見込み。駆動用モーターは、日本電産やボッシュ、ZFといったサプライヤー製ではなく、自社開発だという。

好奇心を掻き立てられるインテリア

iX 50 xドライブ・プロトタイプの運転をしてくれたのは、開発ディレクターのヨハン・キスラー。車重2500kgもあるSUVとしては信じられないほどの力強い加速と、安定性を確認することができた。質感の良さも驚くほどだ。

同時に、既存のBMW製モデルから飛躍的な一歩を踏み出してもいる。車内に乗り込んだ瞬間に、そのことを実感する。

BMW iX プロトタイプ
BMW iX プロトタイプ

インテリアからは、好奇心を掻き立てるような新しい印象を受ける。ダッシュボードの位置は低く、シートの位置は高め。従来のBMWのモデルよりクッション性が良く、シートに腰を下ろすというより、上に座っているような感覚もある。

サイドサポートの膨らみは控えめ。ラウンジチェアのようなデザインだ。

シートの角度や位置調整のスイッチは、シートの土台部分ではなく、ドアパネル側の高い位置に付いている。これも従来のBMWとは違うところ。

着座姿勢はアップライト気味で、高めのグラスエリアのプロポーションと相まって、助手席からの視界はかなりイイ。運転席からも同様だろう。フロアは位置が高くフラットだ。

パノラミック・グラスルーフが備わり、車内に現代的な雰囲気を与えている。電気的にガラスの透過率を変えられ、光でいっぱいの車内にすることも簡単。

インテリアデザインはクリーンで整然としている。ダッシュボードの上部には、メーター用モニターとインフォテインメント用モニターが一体になった、大きくカーブを描くパネルが付く。実際に押せるスイッチ類は確認できない。

この続きは後編にて。

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