【仕事のできるクルマ】フォルクスワーゲン・ゴルフ(4) 長期テスト 強みは時間をかけて
公開 : 2021.06.20 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
純EVへの本格的なシフトが進む現在、8代目VWゴルフはバランスに優れたファミリー・ハッチバックといえるのか。長期テストを通じて確かめます。
積算1937km 運転支援システムのメニュー
英国では既に、多くのドライバーが運転している8代目ゴルフ。読者から運転支援システムの設定に関するメールが何件か寄せられた。早速メニューを探ってみることに。
タッチモニターに一覧のメニューが表示され、関連する画像に触れると、それぞれのシステムの設定画面が表示される。これらの機能を個々に理解して設定すると、心地よく運転できるようになるようだ。
積算2280km 素晴らしさに気付きにくい
筆者は、フォルクスワーゲン・ゴルフが想定しているであろう利用方法を、かなり幅広く実践している。普段使いのクルマとしてオールラウンダー的に設計されているから、日常的なクルマに関する多くをゴルフに頼っている。
多くの特長がある中で、ゴルフの仕事効率の高さは見過ごされがち。市街地などでの短距離移動も、得意分野の1つだ。扱いやすく運転席からの眺めは良好で、マイルド・ハイブリッドのエンジンは静かで滑らか。
乗り心地も穏やか。最近の英国郊外の道は舗装の管理が悪いから、うれしく感じることも多い。
スーパマーケットやガーデンセンターへの毎週の買い物は、ゴルフの荷室の使い勝手を検証するうえで、とても役立っている。荷物の積み降ろしがしやすく、荷室の形状も良い。大きな堆肥の袋を3つと植物の鉢を沢山載せても、まったく問題ない。
スコダ・オクタビアなどライバルモデルと比べると、荷室容量は多少劣る。クラス最大とはいえなくても、日常生活で困ることはないだろう。
堆肥を運んでいない別の週末には、もっと重要な目的でゴルフを運転した。2度目のコロナウイルスのワクチン接種のため、英国西部のクリーブドン医療センターへ筆者の母を連れて行ったのだ。彼らの効率的な作業には、改めて驚かされた。
フォルクスワーゲン・ゴルフも、あまりにスムーズに走るがゆえに、仕事ぶりの素晴らしさには気付きにくい。優れたものほど、時間をかけて評価する必要があると思う。
積算2867km 汚れが目立つイエローのボディ
最近の英国は雨がちの天気が多く、フォルクスワーゲン・ゴルフは汚いまま。特にライムメタリック・イエローに塗られた長期テスト車の場合、汚れが目立ってしまう。
ボディへ付いた汚れの流れや溜まり方から、面構成やラインがどのように空気力学的に働いているのか、観察することもできる。特にリアドアのエッジ部分などは興味深い。
そんなことを思って眺めていても、結局は水の入ったバケツとスポンジを手にすることになるのだが。