【マットグレーのクーペ】アルファ・ロメオ6C-2500 スポーツ トロッシ伯爵の特注 後編

公開 : 2021.06.26 17:45

幸運を運んでくれるトロッシのC6

トロッシは、この2つのクラブのメンバーであることを誇りに思っていたという。「2005年にペブルビーチ・コンクール・デレガンスへ出展した時、審査員がバッジに批判的で、クルマを台無しにしていると評されたことがありました」

「もちろん、トロッシの城の前で撮影された、バッジ付きの写真を彼に見せました。事実を知って、とても恥ずかしがっていましたよ」

アルファ・ロメオ6C-2500 スポーツ(1942年)
アルファ・ロメオ6C-2500 スポーツ(1942年)

艶のないグレーの塗装にも関わらず、アルファ・ロメオ6C-2500スポーツはペブルビーチのほか、多くのコンクール・デレガンスで優勝を掴んでいる。それでもジョルジは、アルファ・ロメオを積極的に運転して楽しんでいる。

イタリアからベルギーの自宅へ1人で戻った時のことは、今でも忘れられないという。「6C-2500のオーナーによるラリーへ参加した帰り、ミラノを出発すると土砂降りの雨に見舞われました」

「しばらくして運転席のワイパーが壊れ、視界は絶望的に。前を見るのに、助手席側へ身を乗り出して運転しました。地獄のように大変で、無事に帰れるように手伝って欲しいとトロッシへ心で願うほど」

「アルプスを貫くゴッタルド・トンネルまでは嵐でしたが、スイス側に抜けると驚いたことに晴天。ホテルで一晩を明かし、ブリュッセルまで急いで戻りました」

「ベルギーの自宅へ到着すると、突然エンジンがストップ。再始動しなくなりました。デスビ・ポイントのスプリングが折れていたんです。道中、いつ壊れてもおかしくなかった部分。トロッシのC6は、いつも幸運を運んでくれるようです」

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