【詳細データテスト】アウディe-トロン 速いが刺激はない 新技術は持ち腐れ 快適性と静粛性は上々

公開 : 2021.06.13 11:05  更新 : 2021.06.28 09:23

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

以前テストしたe−トロン 55は、市街地と郊外をどちらも走っての現実的な航続距離が320kmを少々上回った。同じ容量のバッテリーを積む今回のe−トロン Sは、平均で300km弱だったが、巡航速度を80km/hほどに限定すると350km近くまで向上する。

既存のe-トロンのオーナーが乗り換えるのに、この数字は障害にはならないだろう。しかし、日常的に320km程度の移動を行うというのなら、これより安心して乗れるEVはほかにいくつか見つけられるはずだ。

3年後の残価予想が45%というのは、9万ポンド(約1260万円)級の高級車としては悪くない数字だ。それでも、ジャガーやテスラのほうが上回っている。
3年後の残価予想が45%というのは、9万ポンド(約1260万円)級の高級車としては悪くない数字だ。それでも、ジャガーテスラのほうが上回っている。

よりスポーティに走らせたいときには、航続距離の確保と両立できないというのが、EVの解決しがたい問題だ。しかしアウディは、e-トロン Sを150kW急速充電対応とすることで、その悩みをいくらか和らげている。これは、ライバルたちでは太刀打ちできない部分だ。

装備内容は、9万ポンド(約1260万円)近い価格を考えれば、ちょっと物足りないと感じる。効率を高めるアダプティブクルーズコントロールや、スマートフォンアプリを用いたエアコンのリモート操作機能などが有償オプションなのだ。われわれとしては、それくらいは標準装備にしてもらいたいところだ。

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