【エキシージ・ロス】ロータス・エキシージ・ スポーツ390 ファイナルエディションへ試乗

公開 : 2021.06.19 08:25

ロータスが21年間作り続けてきたロードレーサー、エキシージが遂に終りを迎えます。公道に軸をおいた390へ、英国編集部が評価しました。

21年間、3世代を経たエキシージ

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ユニークなモデルが消滅すると聞いて、必ずしも悲しくなるわけではない。アウディA2は気がつけば終了していたし、レンジローバー・イヴォークのコンバーチブルも、密かにカタログから消えていた。

では、ロータス・エキシージならどうだろう。悲しむ読者も多いと思う。21年間、3世代を経て、遂に生産が終了する。超軽量なエリーゼと、グランドツアラーのエヴォーラとともに。

ロータス・エキシージ・スポーツ390 ファイナルエディション(英国仕様)
ロータス・エキシージ・スポーツ390 ファイナルエディション(英国仕様)

2021年の冬には、最後のエキシージがへセルの工場を旅立つ。目下ロータスは、ポルシェ911のライバルに相当するクーペ、エミーラの生産準備を加速させている。

新しい組み立てホールには、施設間を自律的に移動するパレットと、最新の塗装ワークショップが完備される予定。へセルから少し離れたウスターの街には、押出成形のアルミニウム・コア用製造施設も新設される。

エミーラは、エヴォーラとエキシージのパッケージの長所を融合させ、204万ポンド(3億1416万円)の純EVスーパーカー、エヴァイヤを連想させるボディデザインが与えられる。ロータスには未来がある。

同時に、われわれには見逃せない事実がある。エミーラは内燃エンジンを搭載する最後のロータスになるだろう、という予測だ。

ロータスの筆頭株主、中国のジーリー・ホールディング・グループは、2028年までにロータスを純EVブランドにしたいと考えている。現在約1500台の年間生産台数を、数百万台にまで増やしたいとも考えている。

公道6割、サーキット4割という特性

中国の武漢に生産拠点を設け、クロスオーバーなどのモデル展開も進んでいる。アルピーヌと共同で、電動スポーツカーのプラットフォーム開発も進行中。エンジニアリング・コンサルタントとしての成長も図りたい構えだ。

ロータスは、純EVを中心に大きく変化しようとしている。

ロータス・エキシージ・スポーツ390 ファイナルエディション(英国仕様)
ロータス・エキシージ・スポーツ390 ファイナルエディション(英国仕様)

次期エミーラが大きく重くなり、その後はすべて純EVになることを考えると、エキシージの貴重さが際立ってくる。ロータスの生みの親、コーリン・チャップマンの精神を受け継ぐラストモデルが、スポーツ390 ファイナルエディションといえそうだ。

内容としては、スポーツ350の後継モデルに当たる。2015年に登場したエキシージ・シリーズ3の、エントリーグレードの進化版ともいえる。

ロータスで上級エンジニアを務めるダン・ペックに話を聞いた。「スポーツ420の優れた部分と、スポーツ350のしなやかさの、良い部分を併せ持っています」。390は、ざっくりが公道6割、サーキット4割という特性に仕上げてあるという。

エキシージ420とカップ430にも、ファイナルエディションが設定される。サーキット走行を中心に楽しみたい場合、どれを選ぶべきか考えた方が良さそうだ。

英国価格は、390 ファイナルエディションで6万4000ポンド(985万円)から。同じく420が8万2675ポンド(1273万円)で、430が10万600ポンド(1549万円)へと上昇する。

わかりやすい見た目の違いは、リアウイングの形状。390が一番小さく、ボディとの一体感は高い。420では弓なりに大きくなり、エンドプレートも巨大。さらに430は大きく、リアデッキから高くそびえる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事