【日産ノート・オーラ】日産カスタム銘柄「オーテック」「ニスモ」とはどう違う?
公開 : 2021.06.15 11:55
ノート・オーラ 誰に向けたクルマ?
オーラと、これまであったオーテック、ニスモの違いは、はっきりとしている。
それがスポーティさの有無だ。
これまでのオーテックとニスモは、濃淡こそ違うものの、基本はスポーティな走りを重視したカスタムであった。
一方、新しいオーラは、eパワーの出力を高めているものの、スポーツを謳っていない。
それよりも遮音性能の向上と、静かな室内で楽しむ高級オーディオ・システムを売りにする。
ちなみに、オーラはワイドフェンダーにより車幅が40mm拡大し、3ナンバー化している。グリルやライト類もノーマルとは違うものになっている。
しかし、その変化はごく地味なものだ。メッキ加飾は最小で、ノーマルと並べてみないと違いが気づかないほど自然だ。
しかし、この地味さを歓迎する人も多いだろう。誰もがスポーティなものを好きなわけではないからだ。
また、オーラがターゲットとする顧客層は「セダンからのダウンサイザー」や「輸入車検討者」だという。
そうした人には、逆にスポーティさがない方が受けは良いだろう。
オーラ、価格帯の下ではなく上を狙う
では、なぜ日産が、新たなキャラクターを持ったノート・オーラを投入したのか。
それは、ずばり売り上げアップが理由だろう。実は、新型ノートは現状で、先代ほどの販売数を実現していない。
その理由の1つは、先代が非常に売れていたということがある。
先代ノートは、2018年度に登録車として販売ナンバー1を獲得している。
これは日産としては、1968年の「ブルーバード」以来となる50年ぶりの大記録だ。
当然、この勢いを2020年に発売した新型ノートでも続けたいと思うはず。
ところが、新型ノートはハイブリッド専用車となり、低価格帯のエンジン車グレードを廃してしまった。これは販売ナンバー1を目指すには、大きなハンデとなる。
実際に、2020年1~12月の新車販売ランキング(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会発表「乗用車ブランド通称名別順位」)で、新型ノートは9位という順位に終わった。
1位のヤリス、4位のフィットといったライバルとの差も大きい結果だ。
そんな新型ノートに投入されたのがオーラだ。つまり日産は、ノーマルのノートよりも上の価格帯を狙うというわけだ。
ちなみに、すでにノート・オーテックは発売されているが、ニスモ仕様はまだ登場していない。
オーラがヒットし、さらにニスモが加わって、ノーマルよりも上の価格帯で数が稼げれば、販売ランキングも上昇することだろう。
下の価格帯がなければ、上の価格帯を狙うという日産の計画に注目したい。