【どんな層が購入?】日産「アリア」予約注文開始10日で約4000台受注 たった10日で実績公表のワケ
公開 : 2021.06.16 05:45 更新 : 2021.06.16 07:17
日産アリアの予約注文台数が10日で約4000台に到達。プレミアムEVとして出発したアリアのマーケティングに着目します。
予約注文開始10日で約4000台に
2021年6月4日に日本専用特別限定車アリア・リミテッドを発表し、同時にグローバルで統一した予約サイトを設けて日本市場向けの予約を開始した。
それから10日経った6月14日、国内の予約注文が約4000台に達したと発表した。
日産はこの約4000台受注について、「高級感ある美しいエクステリア」、「日産ならではの電動化、自動運転化技術と最新コネクテッド技術の搭載」、「日産の電気自動車であるという安心感」などがユーザーからの高い評価を得た結果、多くの台数を実現したと分析している。
この10日間で約4000台という数字、果たして多い数なのか?
また、そもそもなぜ発売開始10日目で区切ったのか、という疑問もある。
一般的に新車が市場導入されると、初期受注の発表は発売(または予約販売開始)の約1か月後する場合が多い。
その際、メーカーが事前に設定した月販目標台数に対して「〇倍の実績を達成」といった表現をして、市場に対する新車効果を強調するものだ。
今回の10日間という区切りの理由として、1つは6月15日にeパワー搭載のノート・オーラの発表を控えていたタイミングであり、日産の電動新モデルとしてアリアとオーラを連携したマーケティング手法であるように思える。
「4000台」果たして多い?
では、予約発売後10日間での約4000台という数字は、多いのか?
それとも、話題性が大きい新型の高級モデルとして無難な数字なのか?
単純計算で10日間で4000台、1か月なら1万2000台相当となり、一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べの直近データ(2021年5月:乗用車ブランド通称別順位)に照らし合わせると、第1位のヤリス(1万6600台)に次いで、第2位のルーミー(1万1597台)といいとこ勝負という高実績だ。
むろん、前述のように一般的に予約受注数は、通常販売月の数倍にはね上げることが多い。
例えば、2020年6月17日に国内販売を開始したトヨタ・ハリアーは月販目標台数3100台対して、その14.5倍となる約4万5000台の大ブレークだった。
アリアの場合、ベースモデルが660万円という日本車として「かなりの高級車」に属し、またEV市場が発展途上のなかでは10日間で約4000台は「かなり好調」な数字として捉えるべきであろう。
なお、リーフの2020年度(2020年4月~2021年3月)国内販売総数は9491台であるが、とくに3月は1603台になるなど年度末に向けて販売台数が伸びた。
これは、環境省と経済産業省がそれぞれ、EV普及に対する追加の補助金を設定した効果によるものと推測される。