【S660と運命をともに?】コスパ良くない軽スポーツ コペン/アルトワークス今後どうなる?

公開 : 2021.06.18 17:10  更新 : 2021.10.22 10:07

アルトはフルモデルチェンジ ワークスは?

軽自動車のスポーティモデルとしては、アルトワークスとNワンRSも挙げられる。

以前のキャスト・スポーツは生産を終えて、今は豪華指向のキャスト・スタイルのみになった。

スズキ・アルトワークス
スズキアルトワークス

アルトのノーマルグレードは、2021年から2022年にフルモデルチェンジを受ける。

スズキの売れ筋車種だから、法規対応も先を見こしておこなう。

スポーツモデルのアルトワークスは、ノーマルグレードと同時か、少し遅れて登場する可能性が高い。

アルトワークスのエンジンは、従来と同じくターボで、走行安定性やMT(マニュアルトランスミッション)の操作性を大幅に向上させる。

現行アルトワークスは、ターボRSの上級仕様として追加されたが、次期型では最初からワークスを含めて開発されるからだ。その方が商品力を高めやすい。

スズキの販売店では、アルトワークスの売れ行きについて以下のように述べている。

「最近は若年層のクルマ離れといわれるが、アルトワークスでは、若いお客さまも女性を含めて増えている。走行性能とあわせて、外観のカッコ良さと求めやすい価格が人気の理由だ。手頃な価格で買える運転の楽しいクルマは、中高年齢層も含めて、幅広いお客さまから好まれる。同様にスイフトスポーツの人気も高い」

アルトワークスの価格は153万7800円(5速MT)だ。スペーシアで売れ筋になるハイブリッドXと同等の出費で、専用にチューニングされたターボエンジン、サスペンション、レカロ製シート、エアロパーツなどを装着するスポーツモデルが手に入る。

スイフトスポーツも同様だ。専用にチューニングされた1.4Lターボエンジン、モンロー製フロントストラット&リアショックアブソーバー、エアロパーツなどを装着して、価格は201万7400円(6速MT)になる。

運転の楽しさと割安な価格を両立させて、アルトワークスとスイストスポーツは人気を高めた。

コンパクトスポーツは現代のニーズに合う

クルマを購入する場合、今も昔も価格を200万円前後に想定するユーザーが多い。この背景には、所得と車両価格のバランスがある。

平均所得は1990年代の後半をピークに下がっており、今でも約25年前の水準に戻っていない。

ホンダNワン(RSにMTを用意)
ホンダNワン(RSにMTを用意)

その一方でクルマの価格は、安全装備、運転支援機能、環境性能の向上と消費増税により上昇傾向にある。

20年前は約200万円でステップワゴンのようなミニバンを買えたが、今は240万円以上だ。

所得が下がる一方で、クルマの価格は20年前の1.2~1.3倍に増額され、購入可能な車種が小さくなった。

そのために今では国内で売られる新車の38%が軽自動車で、小型/普通乗用車の約40%をコンパクトカーが占める。小さなクルマのニーズが従来以上に高まった。

スポーティなクルマも同様だ。1台だけを所有する場合、S660やコペンのような2人乗りのクーペは選びにくいが、アルトワークス、NワンRS、スイフトスポーツのような実用性の伴ったコンパクトなスポーツモデルはユーザーニーズに合う。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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