【1年も前から】違法「後付け」チャイルドシート部品 大手通販サイトで販売 国交省/サイトの対応は
公開 : 2021.06.18 05:45 更新 : 2022.03.25 18:49
1年前から後付けISO FIXが大手通販サイトで?
しかし、事実としてこのような「後付け」ISO FIXが、2020年夏頃から大手通販サイトで販売がおこなわれている。
レビューがついている商品もいくつかあり、「説明書が欲しかった」、「なんとかしっかり付けられました」、「頑丈な商品で作りがしっかりしています」などのコメントも寄せられている。この1~2か月でとくに増えている印象だ。
チャイルドシートメーカー各社に聞いてみたところ、一般ユーザーや販売店からの問い合わせも目立ってきているという。
その多くは「後付けISO FIXで使えるチャイルドシートはありますか?」、「うちのクルマにはISO FIXがついていない古いタイプですが、後付けISO FIXを使って取り付けても大丈夫でしょうか?」などなど。
もちろん、各社は「後付けISO FIXは使えません。ISO FIX装置のない座席ではベルト固定のチャイルドシートをお使い下さい」など、その都度伝えていたわけだが、ブリタックス・レーマーの日本総輸入代理店であるGMPインターナショナルは6月15日に同社の公式サイトにてマキシコシブランドとともに、「後付けISO FIXにご注意ください」のタイトルで注意喚起をおこなった。
ご存知の方も多いと思うがブリタックス・レーマーはメルセデス・ベンツ、ボルボ、フォルクスワーゲン、アウディ、ベントレー、マツダ、トヨタなどで純正チャイルドシートとして採用されている、高い安全性と使いやすさで人気のブランドだ。
国交省/大手通販サイトの対応は?
ところで、日本の国交省はこの状況を把握しているのだろうか?
後付けISO FIXについて国交省自動車局の担当部署に尋ねてみたところ、「このような商品が販売されていることを初めて知りました。保安基準に適合していない製品には認証を与えることはできません」
「今後も具体的な商品について、保安基準に適合していない疑いがあるなどの情報提供をいただければ、その情報をもとに対応します。基準に適合していなければ、注意喚起などをおこないます」との回答を得た。
チャイルドシートは単なる育児用品ではなく国交省が認証をおこなって型式が指定される「自動車部品」に相当する。取付装置に関しても同様で保安基準の対象となるは当然だ。
ところで、アマゾンをはじめとする通販サイトの対応はどうだろうか?
アマゾンには筆者が6月15日に広報担当者を経由してこの件を伝えており、後日、アマゾンから公式なコメントを頂いた。
「アマゾンはお客さまの安全を最も重要と考え、お客さまが安心してお買い物を楽しんでいただけるよう努めています。規約違反が疑われる商品については、販売を事前に阻止するよう対策を講じており、販売中の商品の安全性についてもチェックをおこなっております」
「違反が確認された場合は商品をサイトから削除し、必要に応じて販売事業者やメーカー、関連機関とも連携しながら適切に対処いたします」
「購入された商品にご懸念をお持ちのお客さまには、カスタマーサービスにご連絡いただけますようご案内しております。調査のうえ、適切に対処してまいります。なお今回お問い合わせいただいた商品は、すでにサイトから削除しております」
ISO FIX金具がついていないちょっと古いクルマには、従来どおりシートベルト固定のチャイルドシートを使用して欲しい。
なお、現在販売されているベルト固定式チャイルドシートはほとんどが3点式ベルト専用だが、中には2点式ベルトで装着が可能なタイプもある。
アメリカ・イーブンフロー(総輸入販売元:トライスターインターナショナル株式会社)の製品に2点式シートベルトで使用可能な米国保安基準FMVSSに適合した製品(新生児~身長137cmまで適用)がいくつか販売されている。
危険で違法な部品を使ってかけがえのない子どもの命を危険にさらすことがないことを強く願っている。