【「デカいだけ」は勘違い】こだわり詰まった日産ノート・オーラ ノートと違う6つのポイント
公開 : 2021.06.22 05:45 更新 : 2021.10.13 12:03
インテリア 異例ともいえる「上質さ」
4つめのポイントは、インテリアの仕立てだ。
注目はインパネ周辺で、まず目につくのはインパネ上部。ハード樹脂そのままのノートに対し、オーラはツイードを表面に張った仕上げで見るからに上質感が高い。
これは見た目だけでなく触感もよく、その下の木目調パネルと相まって質感の高さはノートに対して相当な差がある。
この木目調パネルは15もの工程を経て作られる凝ったもので、艶を抑えた見た目の質感が高いのに加えて表面に微細な凹凸があり、本物の木材のようだ。
また、センターコンソールもインパネのように木目調パネルとツイードの組み合わせとし、ノートとは差をつけている。
そしてもう1つの違いがメーター。
5インチのセグメント表示に7インチのTFT液晶を組み合わせるノートに対し、オーラは12.3インチTFTのフル液晶メーターを採用。
大型車では採用例が少なくない12.3インチの液晶メーターだが、このクラスとなると採用例はほかに思い浮かばない。ナビの地図を表示するなど、表示デザインは切り替え可能だ。
レザーシートの座り心地も違う。
オーラには「レザーエディション」として本革をコーディネートした仕様も用意しているが、実はノートもオプションで本革を選択可能。
その場合はどちらも同じ表皮なので見た目に差はないが、実際に腰を下ろしてみると座り心地が違うことに驚いた。
その理由は、内部構造。
表皮の下に10mmのクッション材と20mmのソフトウレタン、合計30mmのソフト層を追加してジワリと沈み込むクッション性をプラスしているのだ。
こういった構造は、スカイラインやエルグランドなどの上級モデルで採用しているが、コンパクトカーに使うのは異例中の異例である。
そんな座り心地が、オーラのキャラクターを明確にする5つめのポイントだ。
細部にわたる専用設計 BOSEこだわりの音響も
そして最後に、6つめのポイントとしてお伝えしたいノートとオーラの違いがオーディオ。
オーラだけに、オプションとして「BOSE」のオーディオが用意されているのである。
オーラはクルマ作りの初期段階からBOSEが関わり、音作りに影響する内装トリムの素材選定までBOSEの意見を聞きながら作り上げられた。
そんなBOSEオーディオのハイライトが、ヘッドレストにスピーカーを組み込んでいることである。
ヘッドレストに内蔵したスピーカーがもたらすメリットは何か?
それは音の広がりを好みに応じて調整できることだ。
音楽を聴くとき、前方にステージがあるようなサウンドにするか、それとも包まれるような音作りにするかを任意に無段階でコントロールできるのである。
こういった切り替えは十数個もしくはそれ以上といったたくさんのスピーカーを組み込んだ車でなら実現できるが、オーラのように8個のスピーカーだけでは普通は再現できない。
しかし、オーラでは耳の近くにスピーカーを置いて音場を作ることで実現したのだ。この機能は国内向けのモデルでは初搭載だ。
もちろん、プレミアムオーディオだけに純粋に音がいいのはいうまでもない。
「ノート・オーラ」というクルマは、単にノートの見栄えをよくして装備を変えた上級車種と思われがちだ。
しかし、パワートレインからサスペンション、そしてレザーシートの座り心地までしっかりと専用チューニングがおこなわれている。
単に化粧を変えただけでなく、細部にわたり専用設計となっているのだ。
通常のノートに比べて約40万円の価格アップとはなるが、見えない部分にまで手が入っていることをしっかりと理解しないと、キャラクターを見誤ることになるだろう。