【生まれ変わった】フォード・マーベリック 時を経てピックアップに 日本にもSUTブーム来る?
公開 : 2021.06.25 05:45
コンパクトピックアップで独り勝ち?
北米市場でのカテゴリーで分類すると、マーベリックはコンパクトピックアップトラックと表現されている。
あらためて紹介すると、北米でのピックアップトラックの王道は、フォードFシリーズ、gmではシボレー・シルバラードやGMCシエラ、ステランティスのラムトラックスなど、V8またはV6ターボ搭載のフルサイズピックアップトラックである。筆者もアメリカの生活の中で、フルサイズピックアップトラックを愛用してきた。
フルサイズピックアップトラックよりひと回り小さいのが、ミッドサイズピックアップトラックだ。フォードではレンジャー、gmはシボレー・コロラドをラインナップしている。
これより小さいモデルを、北米ではコンパクトと呼ぶ。
SUVについては、日本車ではトヨタRAV4、ホンダCR-Vなど、またブロンコがコンパクトSUVに属するため、ブロンコをベースとするマーベリックはコンパクトピックアップトラックとなる。
現状でこのカテゴリーは空白地域であり、マーベリック独り勝ちは確定的だといえる。
では、なぜ他メーカーはコンパクトピックアップトラックの仕立てなかったのか?
それは、SUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)に対する呪縛だ。
さまざまなトライがあったが、どのSUTも不発に終わっているからだ。だが、マーベリック登場で市場に変化が生まれそうだ……。
SUT新時代 日本にも到来?
SUVの後部をピックアップトラック化したSUTと言えば、アメリカの現行モデルではホンダリッジ・ライン、過去にはキャデラック・エスカレードEXT、ハマーH2 SUTとH3T、スバルではレガシィ・ランカスターをベースとしたバハなどがある。
このようにアメリカ人にとってSUTは古いジャンルというイメージがあるところに、ブロンコのブレイクと、そのSUTとしてマーベリックの登場。
エンジンはコンパクトSUVのエスケープでも採用し量産効果が高い2.5Lハイブリッドを標準装備とした。
これでアメリカでは、ベースモデルが2万ドルを切る価格となるのだから、一般家庭でのセカンドカーまたはサードカーとしてのマーベリックの需要が増えそうだ。
日本では最近、トヨタ・ハイラックスがブームとなっており、またニッチ市場だが軽ではダイハツ・ハイゼットトラックの特装車にデッキバンがある。
日本でも今後、ブロンコに次いでマーベリックの輸入販売が実現すると、日本でのSUTの認知度も上がり、各メーカーのSUVの追加ラインナップでSUTが量産されるかもしれない。
そういえば、スズキは東京オートサロン2019にジムニー・シエラのSUTバージョンであるジムニー・サバイブを出展している。
マーベリック効果で日本でのSUT新時代の到来が期待される。