【パーツは自分で作る時代】3Dプリンタが広げる自作パーツの世界 製作者に聞いてみた
公開 : 2021.06.26 05:45 更新 : 2021.10.13 12:12
「あったらいいな」を作る
その後もさまざまなパーツを製作している風間さんだが、その基本は「あったらいいな」というものを作るというもの。
例えば、過去に所有していたNC型(3代目)ロードスターにはエアコンフィルターが装着されていなかったため、市販のフィルターを装着できるような枠を自作したり(のちに現行型ロードスター用も制作)、現在所有するロータス・エリーゼに自転車用ボトルゲージを取り付けるステーや、アクセサリーソケットを追加するパーツなどを製作した。
とくにエリーゼはもともとがピュアスポーツカーということもあり、日本車のように豊富な収納などは存在していない。
しかし、いくらエリーゼといえども常に本気のスポーツ走行をするわけではないため、ドリンクも飲みたいしスマホの充電などもしたいというのが人の常だろう。
そのため、風間さんは車両の内装形状にピッタリと合うように、そして運転の妨げにならずに内装とも干渉しない場所に取り付けることができるものを設計したのである。
といっても一発でベストな形状を導き出すことは難しく、3Dプリントをしては修正という作業を繰り返し、ようやくベストな位置と形状を導き出したとのこと。
簡単なものであれば1時間以内でデータ作成も可能だそうだが、難しいものだと十数時間ほど設計に充てることもあり、そこから修正をすることを考えると、やはり欲しいという気持ちがあるからこそ、ということなのだろう。
「3Dプリントのハードルが下がって以前よりも欲しいものを形にしやすくなった今、スキルのある人はどんどん活用して欲しい」という風間さんの言葉に心を動かされる人もいるのではないだろうか。