【生まれ変わったオープンカー】メルセデスAMG SL 最新プロトタイプ発見 デビュー間近か

公開 : 2021.06.22 18:05

SLとGTの共通化

メルセデスの高級スポーツカーであるSLとGTは、プラットフォームを共有するだけでなく、アクスルアッセンブリー、サスペンション、ステアリングシステム、48V電気系統、ハイブリッド・ドライブトレインなどを共通化し、コスト削減と生産効率の向上を図る見込みだ。新型SLおよびGTは、ドイツのジンデルフィンゲンにあるメルセデスの工場で並行して生産される。

SLCの後継モデルを同じプラットフォームで開発するという初期の計画は、販売台数が減少していることから断念することになった。

メルセデスAMGが公開した次期SLのプロトタイプ
メルセデスAMGが公開した次期SLのプロトタイプ    メルセデスAMG

新型SLの初期プロトタイプは、Sクラス・クーペを短縮したボディの下に新しいプラットフォームを使用してサーキットでテストされていた。このクルマは、GTのようにデュアルクラッチ式の自動変速機をリアアクスルに内蔵したトランスアクスル方式を採用すると噂されている。

しかし、プロトタイプの寸法を見る限り、全長4630mm、全幅1870mm、全高1310mmの現行モデルよりもわずかに大きいサイズになると思われる。

MSAプラットフォームの採用は、新型SLのスタイリングにも好影響を与えていると言われている。そのプロポーションは、CクラスEクラスCLS、Sクラスなどのセダンモデルとプラットフォームを共有する現行モデルよりも、クラシックなロードスターの初期型に近いものになるとされている。

メルセデスの関係者は、AUTOCARに対し次のように語った。

「新しいプラットフォームのおかげで、自由度が高まりました。フロントアクスルとフロント・ファイアーウォールの間の距離が長くなり、これにより、伝統的なプロポーションを実現しました」

また、現在のSLの折りたたみ式ハードトップを、よりコンパクトな布製に変更したことで、リアのスタイリングにも幅が出たと言われている。

「ハードトップルーフのパッケージングにより高さや幅に縛られることがなくなったため、特にリアははるかにシェイプアップされています」

SLにハイブリッドモデルを設定

メルセデスはSLに、直列6気筒およびV型8気筒のハイブリッドを設定し、標準モデルとAMGモデルの両方をラインナップする計画だ。

3.0L直6ターボ搭載し、約370psを発揮する「SL 450 EQブースト」と、スターターモーターとの組み合わせで22psアップする「SL 450 EQブースト」がエントリーモデルとなると思われる。

メルセデスAMGが公開した次期SLのプロトタイプ
メルセデスAMGが公開した次期SLのプロトタイプ    メルセデスAMG

SL 450 EQブーストのマイルド・ハイブリッドをAMGチューニングした「SL 53」では、約435psと電動アシストによる22psアップが期待できる。

V8搭載モデルの中には、「SL 500 EQブースト」も含まれる。4.0L V8ターボを搭載し、出力はSL 53と同等だが、トルクは大幅に向上するだろう。

最上級モデルは「SL 63」で、4.0L V8ターボが搭載され、600ps以上の出力と30ps以上の電動ブーストが可能となる。V12エンジン搭載モデルが継続されるかどうかは不明だが、SL 63のパワーを考えると、その可能性は低いと思われる。

各エンジンには9速ATが組み合わされ、AMGモデルにはシフトタイムを短縮する電子制御パッケージ「スピードシフト」が採用される予定だ。

標準の後輪駆動に加えて4マチックの四輪駆動を設定するのではないかとの憶測もあるが、これはまだ確認されていない。

市場におけるSLの立ち位置は再定義されようとしているが、ラグジュアリー志向を放棄するわけではないので、インテリアは他のメルセデス車と同様に豪華なものになると予想される。

Sクラス・クーペのようなモデルよりもドライバー重視のクルマになるだろうが、半自動運転のドライブパイロット機能をはじめとする、メルセデス最新の運転支援システムがふんだんに盛り込まれている可能性も高い。

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