【いま1番の中古車】BMW E39型M5 英国編集部が選出 AUTOCARアワード2021 前編
公開 : 2021.06.24 13:45 更新 : 2022.08.08 07:30
タイトで無駄のないスタイリング
シャシーは、今の基準では普通と呼べる範囲。標準のE39型5シリーズと同じアクスルに、ステアリングラックはボールナット式。スプリングとダンパー、アンチロールバー、トップマウントなどは専用だったが、ほかにはLSDが組まれる程度だ。
サスペンションの仕様のように、ルックスの変更も絞られたものだった。M5専用のホイールとボディキットを獲得するが、カーボンファイバー製の余計なエアロパーツはない。派手な装飾も備わらないが、明らかに好戦的ではある。
高性能サルーンの熱い競争の口火を切った存在だった。それ以来このカテゴリーでは、ドイツ御三家が圧倒的な存在感を示している。M5こそ仕掛け役といって良いだろう。
真空パックされたかのようにタイトで無駄のないスタイリングが、E39型の訴求力を高めている。ディティールの作り込みも、雰囲気を補完している。
特に今回お借りした後期モデルのE39型で注目すべきは、コロナリングと呼ばれる丸いスモールライトが4灯並ぶヘッドライト。デイタイムライトが一般化する前、氷のように冷たい眼力を放っていた。いろいろな呼ばれ方もされたが。
さらにM5最大の魅力は、おしゃれなパパが載るような5シリーズのトップモデルという成り立ち。ベースのE39型自体も、BMWがそれまでに生み出してきた高級サルーンの中で、最も優れた完成度を備えていたのだ。
この続きは後編にて。