【カタログ値通りの航続距離】スズキ・アクロス(2) 長期テスト センス良く走るPHEV
公開 : 2021.07.04 09:45 更新 : 2021.07.27 14:50
トヨタRAV4のOEMとなる、スズキ・アクロス。PHEVのSUVとしての実力や、RAV4との違いなどを長期テストで英国編集部が確かめます。
積算6611km EVモードでの航続距離
最近は穏やかな気温になってきたため、スズキ・アクロスのEVモードでの航続距離が伸びてきたようだ。わたしがアクロスの運転を始めた頃は、一度の充電で58kmくらいの走行が可能だった。
そもそもこの数字も、現在のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)のSUVとしては悪い数字ではない。しかし近頃は、64kmくらいが表示されることも珍しくない。季節の変わり目を示す、兆候でもある。
積算8255km センス良く走るPHEV
英国の自動車テストコース、ミルブルックで走行性能を評価するということで、アクロスを別の編集部スタッフへ数日貸し出した。後日、センス良く走る点を気に入ったという感想をもらったが、筆者としては特段驚きではなかった。
アクロスはとても良くできたPHEVだと思う。しかし、車内を散らかしていた状態には不満を感じた様子。かたじけない。
積算8730km カタログ値通りに走れる
既に詳細データテストの内容はご報告済みだが、スズキ・アクロスでミルブルックに向かった。非常に興味を抱かされる経験となった。
これまで何台ものPHEVに乗ってきたが、EVモードでカタログ値通りの航続距離を走れる、初めてのモデルだったからだ。13万9000ポンド(2140万円)もするグランドツアラー、ポールスター1を除いて。
スズキによれば、駆動用バッテリーが満充電なら最大75kmを電気モーターだけで走行できると主張している。実際に試したところ、ガソリンエンジンが始動するまでに77kmもの距離を走行でき、正直感動してしまった。
しかも、発進と停止が繰り返され低速度域が中心となる、PHEVや純EVにとって有利な市街地だけの走行ではなかった。今回のルートは、ロンドン西部のアクロンからA40号線を走り西を周り、M25とM4号線を使ってロンドンに戻るというもの。
途中、トゥイッケナムとパトニーにも立ち寄っている。一般的な英国の走行条件としては、妥当な内容だと思う。アクロスは穏やかにわたしを郊外まで運び、PHEVとして印象深い体験を与えてくれた。
現在の英国の税制では、PHEVの立ち位置は少し曖昧ではある。しかし、スズキ・アクロス以外のPHEVも同様に素晴らしければ、と思ってしまうほどだった。