【水素のキホン】水素自動車が研究・開発される背景 日本におけるメリットとは?
公開 : 2021.06.29 05:45 更新 : 2022.11.01 08:41
米中も注力する水素 社会全体での活用がカギ
水素の利用は、クルマに限らず、広く社会全体にまで及ぶことが理想だ。
できれば、風力や太陽光などの再生可能エネルギーで水素を作り、それを運搬して、必要な場所で発電するという使い方がベストだ。
また、飛行機への燃料をはじめ、製鉄にコークス(石炭)の代わりに水素を使うことも期待されている。
CO2フリーの水素を発電や熱エネルギーとして利用することで、社会全体のカーボンニュートラルを実現させようというわけだ。
しかし、そうした水素社会の実現には3つの課題がある。
「技術的課題」、「インフラ整備」、「コスト低減」だ。
現状では大型の水素発電システムも、大規模な水素供給システムも開発中である。
水素を日本全国各地に行きわたらせるインフラも整っていない。
さらに、水素の供給、発電、輸送がコスト高では困る。まだまだハードルは数多く、そして高いというのが現実だ。
とはいえ、水素エネルギーに注目し、実用化に力を入れるのは日本だけではない。
アメリカも欧州も中国も日本と同様に水素に注力している。競争は始まったばかりだ。今後の日本の努力に期待したい。