BMW 420dコンバーチブル
公開 : 2014.03.07 22:40 更新 : 2017.05.29 17:59
■どんなクルマ?
既にわれわれはこのシリーズのトップ・モデルたる435iコンバーチブルの試乗を行った。今回は、そのセールスの多くを占めることになるだろう420dコンバーチブルの試乗である。
エンジンを除けばこの2台に大きな違いはない。格納式のメタルのハードトップを持ち、3シリーズよりも低く、長いボディを持つ。そのエンジンは、184psを発揮する2.0ℓ4気筒のディーゼル・ユニットだ。これに標準で6速マニュアル・トランスミッションが組み合わせられ、19.6km/ℓの燃費と133g/kmのCO2排出量をマークする。もし、8速オートマティックを選べば、燃費は20.8km/ℓに向上し、CO2排出量も127g/kmに減少する。
グレードは5つ。その中で、今回試乗したのはSEトリムだ。現行の3シリーズと同じスクリーンの大きさを持つインフォテーメント・システム、ドライブ・パフォーマンス・コントロール、17インチ・ホイール、ヒーテド・フロント・シートなどが標準だ。それでも、ほぼ同じ内容を持つアウディA5カブリオレ2.0TDI SEよりも£2,500(43万円)高い。また、今回試乗したモデルは、標準装備に加え、プロフェッショナル・メディア・システム、18インチ・ホイール、アダプティブ・サスペンションなどが装備されていたので、その価格は、£43,850(755万円)となっている。
■どんな感じ?
やはり注目なのはそのコンバーチブル・ルーフだ。相当な質量と重さを持つルーフは、メカニズム的には非常に洗練されており、僅か20秒のプロセスで開閉が可能だ。しかし、残念がながらモダンなファブリック・ルーフと比べてそれほど大きなアドバンテージもないのは事実だ。
320d SEは1495kg。それに対し420d SEコンバーチブルは1755kgもある。その差は260kgにもまる。435iコンバーチブルであれば、その増えたボディ重量を306psのストレート・シックスで誤魔化すことも出来たが、420dの184ps、38.7kg-mのエンジンではいささかきつい。また、エンジンのガラガラとしたサウンドもオープン・ボディには似つかわしくない。
サスペンションは褒められるべきところだ。ドライブ・パフォーマンス・コントロールの一番堅いスポーツ+にセットしても、3シリーズのようなクイックなセッティングではない。明瞭で、穏やかで、心地良いセッティングは、日差しを浴びて走る420dコンバーチブルには相応しいものと言えよう。
確かにインテリアのクオリティなどは納得できるものではないが、このオープン・フィーリングと引き換えに、よしとしようか。
■「買い」か?
コンバーチブルを望むのであれば、420dもひとつの選択肢ではある。しかし、われわれが期待していたような3シリーズのようなドライブ・フィーリングではない。それは、少なくともわれわれにとってはマイナス・ポイントだ。320dは5つ星を与えることができたが、420dコンバーチブルに対しては同じ数の星を与えることはできない。
(ニック・カケット)
BMW 420dコンバーチブル
価格 | £36,675(632万円) |
最高速度 | 235km/h |
0-100km/h加速 | 8.2秒 |
燃費 | 19.6km/ℓ |
CO2排出量 | 133g/km |
乾燥重量 | 1755kg |
エンジン | 直列4気筒1955ccディーゼル |
最高出力 | 184ps/4000rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/1750-2750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |