【各国で売れ行き好調】ルノー・アルカナ Eテック145へ試乗 新型クーペSUV登場

公開 : 2021.07.02 08:25  更新 : 2021.12.21 15:49

パワーユニットはハイブリッドの2種類

RSラインではバンパーも専用デザインになり、インテリアにはカーボンファイバー風のパネルが用いられる。グレードを問わず多様な運転支援システムを実装し、NCAPでは最高得点の5つ星を獲得した。

エンジンは2種類のハイブリッドが選べる。安価なTCe 140が積むのは、1.3Lの4気筒ターボガソリン。最高出力140psで、スターター・ジェネレーター(ISG)が減速中に電気エネルギーを回収する。加速時はエンジンのアシストもしてくれる。

ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)
ルノーアルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)

試乗車のEテック145に載るのは1.6L 4気筒ターボガソリンで、最高出力は145ps。こちらには電圧48VのISGのほかに駆動用モーターも搭載され、1.3Lより広範囲に運動エネルギーの回生とエンジンのアシストを行ってくれる。

トランスミッションは、1.3Lが7速デュアルクラッチAT。1.6Lにはトルクコンバーター式の8速ATがが組まれる。

2種類のパワーユニットで馬力差は小さいものの、トルクの差は歴然。TCe 140が26.4kg-mなのに対し、Eテック145は40.4kg-mもある。CO2排出量と燃費でも、TCe 140は111g/kmに17.2km/Lだが、Eテック145は111g/kmに20.4km/Lと優れる。

多くのユーザーなら、英国では1000ポンド(15万円)高くなる、Eテック145の価格設定に納得できるはず。英国で社用車とするなら、税率も低くなる。

ただし、Eテック145はハイブリッドシステムが高機能となるぶん、車重がTCe 140より100kgほど重い。0-100km/h加速で見ると、9.8秒に対して10.8秒と、1秒遅くなってしまう。

好調な売れ行きが理解できる仕上がり

一般道でアルカナ Eテック145を運転してみると、初めは純EVライクな印象が強い。静止状態から滑らかに加速し、市街地を滑るように走る。ガソリンエンジンの出番は、できるだけ抑えられている。

さらにアクセルペダルを強めに踏むとガソリンエンジンが積極的に動くようになり、ノイズがドライバーに聞こえるようになる。高負荷時はサウンドが良くなり、充分な力強さも得られる。

ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)
ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)

2基の電気モーターとエンジン、トランスミッションはよく統制が取れている。どちらのパワートレインが主役になって走っているのか、ノイズ以外で確かめるのは難しいかもしれない。

比較的全高の高いモデルとして、アルカナのドライビング体験は良好。特に評価すべきは、適正に重み付けが施されたステアリング。クイック寄りのレシオと相まって、コーナリング時のライン取りも簡単だ。

路面が濡れた状態でも挙動はニュートラルで、グリップ力は感心するほど高い。ただし、スポーティとまではいえないだろう。

アルカナのようなモデルの場合、ユーザーにとって1番のストロングポイントは汎用性の高さのはず。実際、車内は広々としており、長距離移動も安楽にこなせる。

最近のルノーらしい曲面が多用されたスタイリングも、多くのファミリーSUVの中で一味違う主張を放っている。手頃な価格も惹きつける要素になる。他の地域と同様に、英国でも好調に売れている理由を充分に理解できる内容だった。

ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万900ポンド(475万円)
全長:4568mm
全幅:1821mm
全高:1571mm
最高速度:172km/h
0-100km/h加速:10.8秒
燃費:20.4km/L
CO2排出量:111g/km
車両重量:1561kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+ISG+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:145ps(システム総合)
最大トルク:40.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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