ヴォグゾール・コルサVXRクラブスポーツ
公開 : 2014.03.07 22:20 更新 : 2017.05.29 18:29
■どんなクルマ?
2011年に発表されたヴォグゾール・コルサVXRニュルブルクリンクがマイナーチェンジを受けた。デビューした当初、その優れたグリップ、トラクション、そして全体にわたるエンターテイメント性溢れる動力性能は、われわれが経験した中でもトップ・クラスのホット・ハッチとしてランキングしたものだ。
今回のマイナーチェンジによって、ニュルブルクリンクの名前が廃止され、代わりにクラブスポーツという名前が与えられた。204psを発揮する1.6ℓ4気筒ターボはそのままだが、VXRよりも固められ低くセットされたビルシュタイン・ダンバーが見直され、スポーツ・エグゾースト・システムも新しくなったことが違いだ。また、クラブスポーツのバッジが取り付けられたサイドシルや、サテンブラックにペイントされた18インチ・ホイールなども特徴となっている。
価格は、従来のVXRニュルブルクリンクに対して、僅かに£95(1.6万円)ほど上昇したにすぎない。
■どんな感じ?
まだまだ元気なモデルだ。レカロのスポーツシートのサポートも良く、ホイールもジャスト・サイズである。そして、低い唸りを吐き出すエグゾースト・サウンドも心地よい。もちろん、そのサウンドは、ハイスピード・クルージングでも不快なものではない。すべてが速く、研ぎ澄まされた感じがするのだ。
しかし、高速道路をドライブするためにこのクルマを購入したのだとしたら、それは愚かなことだ。今回試乗したスペシャル・ラリー・ステージのようなフランスはアルプスのワインディング・ロードでこそ、その実力は発揮されるのだ。
思うがままの速さでクラブスポーツは山道を駆け抜ける。タイトなベンドでも、スロットルを戻すのは最小限で良い。というのも優れたディファレンシャルがこのクラブスポーツには装着されているからだ。ノーズをぐっと抑えこんで、素早いスピードでコーナーをクリアさせてくれる。確実に左右のホイールを制御しているのがわかる。その動作非常に効果的で満足のいくもの。ボディ・コントロールにも優れ、ダンパーは路面を正確に掴んでいく。
但し、スタート時には顕著だったトルクステアがコーナーからの脱出ではやっかいな動きをし、ドライバーを困らせることになるが……。
■「買い」か?
速く、正確で、面白いクルマだ。このコルサよりも後に出現したライバルに比べても遜色はない。ただ、問題があるとすればその価格だ。£22,390(386万円)というプライスタグは、2年前にVXRニュルブルクリンクが登場した時には妥当なものだと思えたが、フォード・フィエスタSTは、これよりも£5,390(92万円)も安い価格が付けられているのだ。
残念ながらヴォグゾールが大きなディスカウントをしない限り、フィエスタより上位にこのコルサを推薦することはできないのだ。
(ダン・スティーブンス)
ヴォグゾール・コルサVXRクラブスポーツ
価格 | £22,390(386万円) |
最高速度 | 230km/h |
0-100km/h加速 | 6.5秒 |
燃費 | 13.2km/ℓ |
CO2排出量 | 178g/km |
乾燥重量 | 1307kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ |
最高出力 | 204ps/5750rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/2250-5500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |