【V6の時代に】フェラーリ新型モデル「296 GTB」 新たなプラグイン・ハイブリッド・クーペ
公開 : 2021.06.25 00:01 更新 : 2021.06.25 08:25
伊フェラーリが、まったく新しいクーペ・モデルを発表。V6プラグイン・ハイブリッドの「296 GTB」をご紹介しましょう。
F8トリブートの後継ではない
イタリアの超高級車ブランド、フェラーリが、2シーターの新型モデル「フェラーリ296 GTB」を発表した。
3.0L V6エンジンとモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド・パワートレインを採用。エンジンはシート後方にミドシップされ、駆動力を後輪に伝えるパッケージだ。
モデル名は、排気量「2.9L(2992cc)」と気筒数の「6」を意味する3ケタの数字に、グランツーリスモ・ベルリネッタの「GTB」を組み合わせたもの。
ラ フェラーリ、SF90に続く、新たな電動化モデルということになる。
注目したいのは、F8トリブートの後継モデルではなく、まったく新しいラインナップとして発表された点だ。
この点について、コマーシャル&マーケティング部門を率いるエンリコ・ガリエラ氏は、次のように説明している。
F8トリブートは、V8エンジンへのオマージュを示したもので、パワーを求めるお客様に向けたモデル。
SF90ストラダーレは、スーパーカーで1000馬力+四輪駆動という、パフォーマンスの最高峰を求めたもの。
296 GTBは、スポーツカーのオーナーで走りの楽しさをもっと味わいたい方に向けたモデルだという。
V6の跳ね馬 EV航続距離25km
具体的には、車重をSF90ストラダーレに比べて100kg軽い1470kgに。バッテリーはセルを少なくし、2kg軽量化したことで70kgに。
また驚くことに、ホイールベースが従来のフェラーリのミドシップクーペより50mmも短縮されている。
これは現在のラインナップで最短の数値となるインパクトが大きい変更点で、敏捷性を高めることに成功。
実は同社によれば、開発要件としてV6エンジンが先にあったのではなく、軽量で短いホイールベースのクルマが先にあり、最適なエンジンを考えた結果がV6ターボだったという。
そのエンジンは、バンク角を90°から120°に広げで重心を下げ、クルマとしての重心を10mm低くしている。
「他のメーカーや、他のフェラーリの車種からキャリーオーバーしたものではなく、フェラーリ専用の特有の」ユニットを開発したという。
トランスミッションはSF90ストラダーレのものに手を加え、リバースギアを導入。ギア比を変更して加速性を高めている。
モーターはシングルモーター。後輪駆動のPHEVは、296 GTBがフェラーリとして初になる。
また、パワーマネージメントのセレクターで「eDrive」を選択すると、電力のみで25kmの航続距離を実現し、最高速度は135km/hまで加速できる。