【全方位的な高い完成度】新型メルセデス・ベンツCクラス C 220dへ試乗 全グレードHV化 前編

公開 : 2021.06.28 08:25

プラットフォームはMRAの改良版

全長が伸ばされたことで、ホイールベースも伸長。25mm増えて2865mmになっている。全幅が広げられたことにより、トレッドも広くなった。フロントが19mm増しの1583mm、リアは48mmも増えて1594mmに設定された。

つまり、従来よりタイヤがボディ四隅で踏ん張る格好になる。ホイールサイズは、17インチから20インチまでが用意される。

メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)

5代目Cクラスのプラットフォームは、4代目も用いていたモジュラー・リア・アーキテクチャ(MRA)の改良版。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式を採用する。

構成は4代目に似ているものの、トレッド拡大に合わせて、スプリングやダンパー、アンチロールバーは一新されている。またオプションとしてアダプティブ・ダンパーの指定も可能。リア側へエアサスペンションを装備させることはできなくなった。

低速域での操縦性と高速域での安定性を高めるため、Cクラスとしては初めて四輪操舵システムが選べる。3シリーズを超えるドライバーへの訴求力を目指し、最大2.5度までリアタイヤの向きが制御される。

車内へ目を向けると、最新のSクラスにも通じるモダンな空間が広がっている。新形状のフロントシートへ腰を掛けると、特にその印象が強い。上質な素材と光ファイバーをによる間接照明が散りばめられ、1ランク上のEクラス以上の特別感がある。

上質な車内に最新のデジタル装備

ドライビングポジションは人間工学的にも良好。シート角度やステアリングホイール位置の調整幅が大きく、快適な姿勢を取りやすい。

ステアリングホイールも新デザインで、横に伸びるスポーク部分にはタッチセンサーによる操作スイッチがレイアウトされた。運転席からの視界も、素晴らしいとまではいえないにしろ良好。沢山のセンサーとカメラが、車庫入れなどを助けてくれる。

メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)

ダッシュボードで目を引くのは、大きなモニター。10.25インチか12.3インチのメーター用モニターがドライバーの正面に、9.5インチか11.9インチの縦型タッチモニターが、ダッシュボード中央に据えられる。

センターモニターはエアコンなどを含む、殆どの機能のインターフェイスになっている。実際に押せるハードボタンはほぼ残っていない。制御ソフトウェアはMBUXの最新版で、会話形式の音声認識機能にも対応。無線通信でバージョンアップも可能だ。

Cクラスの新技術で筆者が注目したのは、拡張現実機能を備えた最新のヘッドアップ・ディスプレイ。Sクラスのシステムにも似ており、4.5mの仮想投影深度を備え、フロントガラス内に29.5インチのエリアで画像が投影される。

シフトセレクターは、4代目と同様にステアリングコラムから伸びる。空間に余裕が生まれたセンターコンソールには、ドリンクホルダーとUSB-Cポートが備わる。オプションでワイヤレスのスマートフォン充電パッドも追加できる。

ステアリングホイールには、マニュアルモードでの変速用にシフトパドルが付く。

この続きは後編にて。

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