【より遊び心あるものに】新型アウディRS3 新開発の4輪駆動とドリフトモード搭載

公開 : 2021.06.25 18:05

アウディの次期高性能コンパクトカーの詳細が公開されました。トルクスプリッターを搭載しドリフトが可能です。

マグナ社製のトルクスプリッター採用

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

3代目となるアウディRS3は、新しい4輪駆動システムを採用し、現行モデルよりも性能と俊敏性を向上させ、サーキット走行用の専用ドリフトモードを搭載している。

RS3はハッチバックとセダンの2タイプで、9月に英国での発売が予定されており、RSモデルとしては初めてマグナ社製の新しいトルクスプリッターを採用している。このシステムは、従来のRS3のハルデックス4輪駆動システムの多板ディスククラッチとリアディファレンシャルに代わるものだ。

アウディRS3
アウディRS3    アウディ

このトルクスプリッターは、電子制御式の2つのクラッチで構成されており、リアのドライブシャフトにそれぞれ1つずつ取り付けられている。スポーティな走行モードでは、後輪に個別にトルクを配分することができる。

この新しいトルクスプリッターは、RS3の主要なライバルであるメルセデスAMG A 45 S 4マチックが採用しているドリフトモード機能と同様に、スタート時のトラクションを向上させ、オンロードでの敏捷性を高めることができるとしている。

また、RS3の新しいドライビングモード「RSトルク・リア」で制御されたドリフトを行うことが可能。このモードでは、独自のマッピングによりスロットル・レスポンスが鋭くなり、トランスミッションのシフトストラテジーが変更され、4輪駆動システムが制御される。また、トルクスプリッターの駆動力を片側の後輪に集中させ、後輪駆動ならではのオーバーステアを実現する。

RS3専用のトラックモードも用意された。「RSパフォーマンス」と名付けられたこのモードは、独自のドライブトレイン・マッピングを使用し、サーキット走行に適したピレリPゼロ・トロフェオRタイヤとの組み合わせを想定して専用開発されており、販売開始時にオプションとして提供される予定だ。

加速力はライバルのAMG超え

新型RS3は、現行モデルの横置きターボチャージャー付き2.5L 5気筒ガソリンエンジン(EA850)を継承している。最高出力は先代と同じ400psを発揮するが、その回転数は250rpm早い5600rpmとなり、レッドラインの7000rpmまで回転する。トルクは2kg-m増加し、2250rpmから5600rpmで50.9kg-mを発揮する。

トランスミッションは、これまでと同じ7速DCTを採用。ドライビングモードは、「コンフォート」、「オート」、「エフィシェンシー」、「ダイナミック」、「RSインディビジュアル」、「RSパフォーマンス」、「RSトルク・リア」の7つが用意されている。

アウディRS3
アウディRS3    アウディ

さらに、排出ガス規制に対応するためにガソリン・パティキュレート・フィルターを大型化し、音質を変化させるフルバリアブル・フラップを採用した新しいエグゾーストシステムを採用した。

新開発のトルクスプリッターは、ハルデックスを採用した現行モデルに比べて8kg軽量化されているが、全体としては40kgの重量増となっている。しかし、アウディ・スポーツは、ローンチコントロール・システムの見直しにより、0-100km/h加速の公式タイムを0.3秒短縮し、3.8秒とした。

これは、メルセデスAMGが発表したA 45 S 4マチックのタイムを0.1秒上回るものだ。A 45 S 4マチックは、420ps の2.0L 4気筒ターボエンジンを搭載している。

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