【注目集まるも】新型ホンダ・シビック SUVシフト/「国民車」Nボックスの間でどう生きる?
公開 : 2021.06.27 05:45 更新 : 2021.06.27 07:16
シビック事情 日本とアメリカで大きく違う
グローバル市場に目を向けると、11代目シビックは2021年11月に北米ホンダがオンライン上でワールドプレミアしている。
こちらはセダンだが、エクステリアデザインではかなりハッチバックに近い雰囲気があるのが特徴だ。
北米での発売は2021年春後半で、日本向けシビックより半年ほど早い。
また、今回の日本市場を含めたシビックワールドプレミアを受けて、北米ホンダによるプレスリリースにはセダンと区別するため、シビック・ハッチバックという商品名としている。
また、ハッチバックのターゲットユーザーを「Young (若者)」としている。このヤング層について、ホンダは明確な年齢を示していないが、アメリカでの一般論では20代はもちろん、30代も含まれると考えられる。
こうした北米市場におけるホンダの新型シビック戦略の背景には、近年一気に進んでいるSUVシフトの影響が色濃い。
北米ホンダによると、直近での2021年5月のシビック販売台数は3万5962台。前述した日本国内年間販売台数を、単月で4倍も上回る。
一方で、ホンダブランドで最も販売台数が多いのはCR-V(4万2090台)となった。
北米自動車市場のボリュームゾーンは、シビックやアコードが属するC/Dセグメントセダンが定番だったが、2010年代以降にコンパクトSUV市場が急拡大している。
電動化の中で「タイプR」はどうなる?
北米のコンパクトSUVシフトを受けて縮小傾向となったCセグメントセダンで、最初に新しい戦略を仕掛けたのはカローラだった。
従来の購買層よりも若い層を狙い、エクステリアでスポーティ性を強調し、インテリアではデジタルネイティブが十分満足するためのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を実現した。
こうしたカローラ戦略に、11代目シビックはセダン・ハッチバックで対向することになる。その一翼を担うハッチバックが、日本でも発売されるということになる。
また、気になるe:HEVとタイプRの詳細について、今回のオンライン公開では未発表だ。
さらにいえば、ホンダの三部俊宏社長は2021年4月の社長就任オンライン会見で「『2040年までにグローバルでEV/FCV100%』を宣言しており、つまり近未来のシビックもEVまたはFCVになることが確実だ。
または、シビックは内燃機関時代のモデル名であり、完全電動化するとモデルとして消滅する可能性もあろう。
ただし、社長就任会見で三部社長は「EVになってもタイプRのようなホンダらしい走りを強調するモデルを考えていきたい」ともコメントしている。
ホンダが完全電動化に向けて大きく動き出したいま、11代目シビックが日本ユーザーにどう受け止められるのか?
2021年秋の発売以降の市場動向を注視していきたい。