【市販化あっぱれ】流行の先陣を切ったモデル4選 高級SUV/ミニバンなど 

公開 : 2021.06.30 05:45  更新 : 2021.10.13 12:12

輸送から快適な空間の提供へ

今やVIPの送迎に使うクルマは黒塗りの大型セダンではなく、ミニバンとなりつつある。

セダンよりも圧倒的に広い室内空間に、自由自在にリクライニングが可能なキャプテンシート。

日産エルグランド(初代)
日産エルグランド(初代)    日産

乗り降りのしやすい大開口部を持つスライドドアと、よくよく考えてみればセダンの後部座席よりも快適なことは間違いない。

しかし、ひと昔前まではミニバンという言葉すらなく、ワンボックスカーと呼ばれた3列シートを備えた車両は、あくまで1度に多くの人を目的地まで運ぶことを目的とした人員輸送車というキャラクターが強かったのだ。

しかし1997年に登場した初代エルグランド(登場時はキャラバン・エルグランド/ホーミー・エルグランド)は、商用グレードを持たず、乗用車然としたエクステリアとクリーンかつモダンなインテリアで高級ミニバンという新たな扉を開いたのである。

もともと日産はE24型キャラバン/ホーミーにGTリムジンという上級指向なモデルが存在していたのだが、それを単独車種に昇華したのがエルグランドといえるだろう。

当時のエルグランド人気はすさまじく、先行して同サイズのミニバンのグランビアをリリースしていたトヨタもエルグランドに対抗すべくマイナーチェンジを繰り返したが、まったく歯が立たないほどだった。

結局トヨタはエルグランドが2代目へフルモデルチェンジを果たす2002年にアルファードを投入するまで、苦汁をなめることになってしまったのである。

軽自動車をファーストカーに

現在、日本で最も売れているのが軽自動車であるホンダNボックス

上級グレードは車両本体価格だけでも200万円を超えており、下手なコンパクトカーを凌ぐ価格となっている。

スズキ・ワゴンR(初代)
スズキワゴンR(初代)    スズキ

当然備わる装備も豪華で、ボディサイズと排気量に制限があるというだけでファーストカーとして十分使用に耐えうるクオリティであり、もはや軽自動車は予算の都合で妥協して買うものではないということを改めて感じさせる仕上がりといえる。

このように、ファーストカーとしても使えることを目的に作られた元祖ともいえる軽自動車が、1993年に登場した初代ワゴンRだ。

プラットフォームこそアルト系のものを使用しているが、フロアパネルを二重構造とすることで着座位置をアップライトなポジションとし、限られた空間の中に大人4人がしっかり座れるようにしたのである。

また、フロアパネルが二重になったことで、車内に進入するロードノイズも抑えることができるという副産物もあった。

もちろんそのままでは頭上スペースが窮屈になってしまうため、背の高いボディとすることでこれを回避。いわゆる軽トールワゴンの元祖となったのだ。

その後、ライバルメーカーのダイハツも同様のコンセプトのムーヴをリリースし、今まで妥協して買う軽自動車から指名して買うものへと徐々にスライド。現在の主流となっているスーパーハイト軽ワゴンも、ワゴンRが存在していなかったら登場していなかったかもしれないのである。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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