【注目集まる小型商用EV市場】200万円台-と発表 変化するEV「エレモ」とは?
公開 : 2021.07.01 05:45 更新 : 2021.07.08 13:04
3つの基本ボディタイプ 用途にあわせて変化
こうした商用EV市場拡大の動きの中、エレモに対しても産業界から注目が集まるのは当然だといえるだろう。
エレモの場合、基本のボディ寸法が全長3925mmと全高1905mmとして、3つのボディ形状によってさまざまな産業や用途に対応できる点が特長だ。
具体的には、1つ目の基本ボディタイプが「ボックス」で、物流や個宅配送に対応する。
ボックスの寸法は長さ2270mm×幅1450mm×高さ1200mmとなる。
最近は、コロナ禍での三蜜回避による「巣ごもり需要」でEコマースは活況を呈しており、この分野での需要が高いと見込まれる。
また、ボックスを冷蔵/冷凍庫として使う場合、庫内の温度管理を専用アプリによって確認できる仕組みも導入する。
2つ目の基本ボディタイプは、ピックアップ。
ピックアップトラックのイメージで、農林水産業向けを想定している。荷台部分は長さ2300mm×幅1440mmとした。
3つ目は、フラットベッドで、荷台部分は長さ2270mm×幅1380mm。活用方法としては、キッチンカー、散水車、消防車、または土木建築用やイベント用としてのカスタマイズを想定している。
こうした各種ボディスタイルを設定して、エレモとしては、B2B(事業者向け)として各種カスタマイズを踏まえた総括的なビジネス展開を検討しているという。
防災分野でも活躍? 木更津市と連携
さらに注目されるのが災害時での対応車両としての活躍だ。
今回の報道陣向け情報公開が行われた午前中、HWエレクトロ社は千葉県木更津市と「災害時における電動車両等の支援に関する協定」を締結した。
それによると、一般社団法人日本防災教育振興中央会が監修する防災備品を装備したエレモを木更津市が今後導入することを目指し、HW エレクトロ社から木更津市にエレモ1台が寄贈された。同車には100人分の防災備品が搭載される。
また、エレモは災害時に移動式エネルギー源としての活用が期待される。
近年、災害時に電力供給が一時的に途絶えた地域で、EV、プラグインハイブリッド車、またFCV(燃料電池車)の本体から外部給電することで、臨時の電力確保をおこなう試みが全国各地で実施されている。
これに伴い、日産、トヨタ、三菱自動車工業など電動量産車を生産している大手自動車メーカーが全国各地の地方自治体と災害時での電動車車両などの支援における協定を結ぶ動きが増えてきた。
エレモでも、こうしたた世の中の動きを今後、サポートすることになる。
エレモの正式発売は2021年7月。
価格は空荷状態で満充電での航続距離が200kmの「エレモ200」が税込275万円から330万円。同120kmの「エレモ120」が218万9000円から273万9000円となる。