【640psのニュル最速SUV】ポルシェ・カイエン・ターボGT 欧州発表 突き詰めたパフォーマンス
公開 : 2021.06.30 18:05 更新 : 2022.06.22 14:31
ニュルブルクリンクで市販SUV最速記録を更新した、ポルシェ・カイエンのハイパフォーマンスモデルが登場。
エンジン車のカイエン最強モデル
ポルシェは、最高出力640psのカイエン・ターボGTのベールを脱いだ。カイエン・ターボGTは、これまでにないレベルのパフォーマンス、ダイナミックな能力、ドライバー・エンゲージメントを実現しているという。
9月から英国での販売が予定されているこのモデルは、カイエン・クーペ・ターボをベースとしており、ポルシェのICE専用SUVの中で最もパワフルなモデルだ。ニュルブルクリンクではその開発の成果が示されており、最近では7分38秒9を記録して市販SUVのラップレコードを更新した。これは、2019年のアウディRS Q8のタイムを3秒以上も上回るものだ。
カイエンのターボモデルとGTSモデルの優れたパフォーマンスを融合させることを目的としたターボGTは、一連のスタイリングの変更によって兄弟モデルとの差別化を図っている。これらはすべて、エンジンとブレーキの冷却効率を高め、安定性とダウンフォースを向上させる機能的な対策であると説明されている。
その中には、デザインを一新したフロントバンパーに冷却ダクトを拡大したリップスポイラーや、カーボン製のウィングを備えたルーフスポイラー、25mm幅のリアスポイラーなどがある。リアスポイラーはテールゲートから完全に展開した場合、最高速度300km/hで40kgのダウンフォースを得ることができるという。
さらに、ツインテールパイプのエグゾーストを中央に配置することで、空気の流れを整えている。ドアミラーキャップとリアディフューザーの下部にはカーボンが使用されている。
また、カイエン・ターボGTには22インチホイールが装着され、ゴールドまたはブラックカラーで仕上げられる。フロントに285/35プロファイル、リアに315/30プロファイルのピレリPゼロ・コルサのパフォーマンスタイヤが標準装備されており、ポルシェによるとこの新型車のために特別に設計されたものだという。
性能を突き詰めたツインターボ4.0L V8
インテリアでは、ポルシェのすべてのホットモデルに採用されているスポーツ・レスポンスボタンを備えたスポーツ・ステアリングホイールや、フロントのスポーツシートと独立したリアシート(2人用)が装備されている。
インテリアのステッチやシートベルトは、ゴールドとグレーの2色から選ぶことができる。新しいアルカンターラのアクセントは、パフォーマンスを追求しているモデルであることを示唆している。
ターボGTは、ポルシェの新しいコミュニケーション・システムであるPCM 6.0をカイエンで初めて採用し、アップル・カープレイとアンドロイド・オートの両方に対応するなど、インフォテイメントの機能を強化している。
パワートレインは、ツインターボ4.0L V8ガソリンエンジンを改良したものだ。標準のターボに比べて90psと7kg-m向上し、640psと86.5kg-mのトルクを発生する。この出力は、ラインナップの中で680psのカイエン・ターボS Eハイブリッドに次ぐものだ。
このエンジンの変更点としては、改良型クランクシャフトの採用、ターボチャージャーのブースト圧の向上、燃料噴射、インダクション、インタークーラーの微調整などが挙げられる。
同じエンジンを搭載したRS Q8は、最高出力600ps、最大トルク81.4kg-m、ランボルギーニ・ウルスは最高出力650ps、最大トルク86.5kg-mを発揮する。レスポンスを短縮するための新しいソフトウェアと水冷式トランスファーケースを採用した、改良型の8速トルクコンバータATと組み合わされている。