【バッテリー技術を自社開発】ボルボ EV航続距離1000km目指す 今後10年以内に実現
公開 : 2021.07.01 18:05 更新 : 2021.07.08 13:04
ソフトウェア開発を内製化
ボルボは、ソフトウェア開発を内製化し、次世代EVに独自の新OS「ボルボ・カーズOS」を採用する。
フォルクスワーゲン・グループなどと同様に、ソフトウェア・スタックの開発を完全に内製化するが、この動きは将来の自動車開発におけるシステムとソフトウェアの重要性を反映している。
2022年に発表予定のEV専用の次期SUVから、全モデルにボルボ・カーズOSが採用される。同OSは、アンドロイド・オートモーティブ、QNX、オートカー、Linuxなどで構築される。各システムは、集中型のコアシステムを中心に構成され、ボルボはこれにより車両の複雑さを大幅に軽減できるという。
ボルボはこの新しいシステムにより、車両のセンサーデータを含む車内機能、新しいユーザー・インターフェース、クラウドベースの機能の強化などを実現できるとしている。
また、このOSはサードパーティベースで他のメーカーに提供される予定だ。
ボルボはバッテリー技術の大幅な改善を計画
ボルボは、従来のものより50%高い密度のバッテリー開発に取り組んでおり、これにより今後10年以内に1000kmの走行距離を実現できるようになるとしている。
来年発売予定の次期XC90をはじめとする第2世代のEVに、改良型リチウムイオン技術を搭載する予定だ。
2025年頃に予定されている第3世代のEVでは、航続距離をさらに向上させ、バッテリーをクルマのフロアに統合し、セル構造を利用して車両全体の剛性を高めることができるようになるという。
ボルボはスウェーデンのノースボルト社と共同でこの技術を開発しており、「約10年後」に体積エネルギー密度1000Wh/lの突破を目指しているという。またボルボは、ノースボルト社と共同で製造予定のバッテリーセルは、すべて再生可能エネルギーで製造されると述べている。
グーグルとの提携拡大
ボルボは、グーグルとのパートナーシップを拡大し、アンドロイド・オートモーティブをベースにコネクティビティを強化したインフォテインメント・システムの開発を進めている。
このアンドロイドベースのインフォテインメント・システムは、将来の全ボルボ車に搭載される「大型の集中型タッチスクリーン」を中心に構築され、「必要な情報だけを適切なタイミングで提供する」という「ミニマリストでコンテキストに応じたアプローチ」を採用した操作システムを特徴としている。